2016 Fiscal Year Annual Research Report
系譜追跡と特異的破壊によるcementogenesisの理解
Project/Area Number |
16H06273
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩山 智明 大阪大学, 歯学研究科, 特別研究員(PD) (80757865)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | セメント質 / セメント芽細胞 / 系譜解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①セメント芽細胞のマーカー遺伝子を同定し、同細胞の分化誘導条件を決定するとともに、master regulatorを探索する、②セメント芽細胞特異的Cre driverマウスを作製し、細胞系譜解析によりセメント質の恒常性維持および組織損傷時の再生機構を明らかにする、ことにより、cementogenesisを正しく理解し、新規歯周組織再生治療法の開発につながる基盤情報を得ることを目的としている。本年度は主に以下の3つの成果を得た。 (1) セメント芽細胞マーカーの同定に関する成果:粘着テープ法を用いて作製したマウス非脱灰新鮮凍結組織切片から、高出力レーザーマイクロダイセクションを用いてセメント芽細胞、骨芽細胞を回収し、RNA抽出を行い、RT-PCR法にて骨芽細胞マーカー遺伝子群(Runx2, Sp7, Spp1, Sparc, Bglap)およびセメント芽細胞マーカー候補遺伝子(Hacd1, Ctgf, Dspp, Ano5)の遺伝子発現を比較検討した。さらに同遺伝子群をViewRNA・超解像度ISH法にて組織切片上で発現を確認した。 (2)セメント芽細胞特異的Cre driverマウスの作製に関する成果:HiFi assemblyを用いた分子クローニングを行い、上記セメント芽細胞マーカー候補遺伝子のプロモーター下に蛍光タンパク質を挿入したプラスミドを作製した。 (3)セメント芽細胞のmaster regulator探索に関する成果:培養歯根膜細胞中の上記セメント芽細胞マーカー候補遺伝子をcrispr/cas9を用いてゲノム編集によりノックアウトを行った。設計したgRNAを蛍光レポーターおよびCas9一体型のベクターにクローニングを行い、Neonエレクトロポレーションシステムを用いて細胞中に導入し、蛍光レポーターを発現した細胞をセルソーターSH800Zを用いて単離した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
セメント芽細胞マーカーの同定にはRNA-seq法を用いる予定であったが、得られたRNAをバイオアナライザーを用いて解析した結果、分解度が高く、ライブラリー作製に必要な品質を満たしていなかったため。トラブルシューティングに時間を要しているが、並行してすでに代替実験手法を用いて解析を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
計画通り、①セメント芽細胞のマーカー遺伝子の同定と同細胞の分化誘導条件決定、②セメント芽細胞特異的Cre driverマウスの作製を遂行する。
|