2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H06324
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
亀田 達也 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (20214554)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 雅道 玉川大学, 付置研究所, 教授 (10225782)
伊澤 栄一 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (10433731)
竹澤 正哲 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (10583742)
小川 昭利 順天堂大学, 医学部, 助教 (30374565)
大槻 久 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 講師 (50517802)
犬飼 佳吾 大阪大学, 社会経済研究所, 講師 (80706945)
|
Project Period (FY) |
2016-05-31 – 2021-03-31
|
Keywords | 集合行動 / 群知能 / アルゴリズム / 比較実験 / 行動・認知実験 / 生理・脳活動計測 / 数理モデル / 進化・適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
集合的意思決定を行うエージェントの集まりはどのような意見参照構造を形成するかを探るため、ネットワークモデルを構築しシミュレーションによりその帰結を探った。その結果、ネットワークの入次数分布は指数分布に近づき、他者から多く参照される「オピニオンリーダー」が現れた。そのようなネットワークでは集合知レベルの期待値は高くなるが、分散が大きくなり、ロバストな集合知の利益を享受できない可能性を見出した。 ヒトと比較可能な実験課題の確立を目指し,カラスの集団採餌実験を試行した。集団ケージ内に餌量の異なる4つの餌場を設け、個体レベルの採餌量の不均衡と優劣順位の関係を調べた。一定試行後,餌場の餌量を逆転させる環境変化を与え,個体の採餌への影響を調べた。餌獲得量は上位個体ほど多いが,環境変化によって獲得餌量を大幅に一時増加させたのは下位個体であった。さらに、これらの過程における集団の収益は一定であった。 公共財問題における行動を、強化学習アルゴリズムで理解するため、複数の実験データに対して個人ごとに解析を行った。社会的価値志向によって利己的ないしは利他的と区分された参加者の行動に見られる差異が、強化学習モデルにおけるいかなるパラメータ値の違いから生み出されるのかを検討した。また、SVOで分類した利他的な被験者と利己的な被験者の社会行動の傾向について調べた。反応時間と向社会性については、反応時間が早い場合、利他的な被験者は向社会的、利己的な被験者は自己利益的に反応する傾向が強かった。 相互作用を通じた認知の同期化に関する脳機能計測実験を行った。他者のドット数推定の観察が自己のドット数推定に影響することを行動データからモデル化し、仮想ペア状況を設定した実験により脳活動を計測し、結合性解析と多変量パターン解析を開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りにデータ収集、モデル構築が進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様に、本研究グループの特色である、心理学、脳科学、進化生物学、動物行動学、経済学の間の有機的連携を最大に生かしつつ研究を推進する。
|
Research Products
(59 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] Investors and exploiters in ecology and economics2017
Author(s)
King, A., Kosfeld, M., Dall, S.R.X., Greiner, B., Kameda, T., Khalmetski, K., Leininger, W., Wedkind, C., & Winterhalder, B.
Total Pages
264(205-214)
Publisher
MIT Press
ISBN
9780262036122
-
[Book] 比較認知科学2017
Author(s)
藤田 和生
Total Pages
283(192-208)
Publisher
放送大学教育振興会 : NHK出版
ISBN
9784595317040
-