2018 Fiscal Year Annual Research Report
Microfluidic approach to single cell transcriptome analysis and its applications
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16H06328
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 輝夫 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30251474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PLESSY Charles 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 客員研究員 (60391984)
長阪 一憲 帝京大学, 医学部, 講師 (30624233)
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Project Period (FY) |
2016-05-31 – 2021-03-31
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Keywords | 単一細胞解析 / トランスクリプトーム解析 / 誘電泳動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マイクロ流体アプローチによる単一細胞捕捉・解析デバイスとトランスクリプトーム解析手法とを組み合わせ、それらをより一層発展させることによって、1細胞トランスクリプトーム解析法の確立を目指す。具体的には、多数の単一細胞操作・解析を行うことが可能なElectroactive Microwell Array (EMA)と少量サンプルでのトランスクリプトーム解析が可能なnanoCAGE法とを融合することにより、1細胞トランスクリプトーム解析法を実現する。 平成30年度は、子宮頸部上皮組織の臨床検体を解析するためのEMAの改良を行なった。具体的には、シート状の子宮頸部上皮細胞を捕捉するため、直径50ミクロンのマイクロウェルを電極の上に製作し、誘電泳動を用いて効率よく捕捉することに成功した。改良したEMAでは、捕捉した子宮頸部上皮細胞を安定的に保持することが可能であるため、捕捉した細胞をデバイス上で解析が可能であり、免疫染色による液状化細胞診法への応用が期待できる。また、index配列導入法の開発に関しては、分子量が小さいindexオリゴを温度感応性のゲルを用いて保持するため、高分子にグラフトさせる方法を確認した。分子量が小さいindexオリゴを高分子であるlinear poly acrylamide (LPA)にグラフトさせることで、溶液中においても拡散を防ぎLPAをゲル内に安定的に保持できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、温度感応性のゲルを用いてindexオリゴを保持し、温度を上げることでindexオリゴのリリースができるindexオリゴ保持方法を構想した。しかし、indexオリゴ保持実験を行なった結果、当初の予想に反し、分子量が小さいindexオリゴを温度感応性のゲルを用いて保持するのは困難であることが明らかになった。この問題を解決するため研究方法の見直を行い、高分子にグラフトされたオリゴの作成を追加で実施し、反応条件の最適化を行う必要があるため、研究に若干の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
【インクジェットディスペンサーの改良】 インクジェットディスペンサーを用いてindex配列を含むTSオリゴを担持した温度感応性ゲルと、index配列を含むRTプライマーを担持したゲルを効率よくスポッティングするため、インクジェットディスペンサーの改良を行う。現在、ノズル先端部で温度感応性ゲルの温度が低下し、乾燥、増粘、ゲル化する事などによって詰まりなどが起こり、スポッティングが不安定になる問題が生じている。この問題を解決するため、ノズル部を部分的に加熱し温度感応性ゲルを加温して詰まりを防ぐ方法の検討を行う。具体的には、デジタル温度調節器とシリコンラバーヒーターをインクジェットヘッドに固定することで、ノズル部を加熱しながらスポッティングが可能になるようにインクジェットディスペンサーの改良を行い、加熱温度、吐出量、ゲル組成・オリゴ濃度などの実験条件の最適化を行う。 【スポッティングしたindex配列を含むDNAライブラリープールの生成】 index配列を含むTSオリゴを担持した温度感応性ゲルと、index配列を含むRTプライマーを担持したゲルを、PDMSマイクロウェルにスポッティングした後、精製された微量なmRNAを用いてCAGE反応を行うことでindex配列を含むDNAライブラリープールを生成する。生成したDNAライブラリープールをシークエンシングすることで、index配列導入方法を評価する。これにより、最適なRTプライマーとTSオリゴの濃度の検討を行う。
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Research Products
(5 results)