2017 Fiscal Year Annual Research Report
周期の理論と双有理幾何学の融合,ミラー対称性研究の新時代
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16H06337
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 篤史 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50314290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 修 大阪大学, 理学研究科, 教授 (60324711)
入谷 寛 京都大学, 理学研究科, 准教授 (20448400)
小西 由紀子 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30505649)
安田 健彦 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (30507166)
大川 新之介 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (60646909)
岩木 耕平 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 助教 (00750598)
神田 遼 大阪大学, 理学研究科, 助教 (50748324)
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Project Period (FY) |
2016-05-31 – 2021-03-31
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Keywords | 幾何学 / 代数学 / 数理物理学 / ミラー対称性 / 双有理幾何学 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者高橋は軌道体Jacobi環の研究に主として取り組み,可逆多項式に対して,それと群同変行列因子化の圏に対するHochschildコホモロジー環の同型を証明した. 分担者藤野は高次元代数多様体と複素多様体の研究を行った.とくに,乗数イデアル層についてのベルティニ型定理を確立した.分担者入谷はトーリック軌道体の標準類を保たない双有理変換の下での量子コホモロジーD-加群の変化を研究した.また海外共同研究者と局所射影平面の高種数グロモフ・ウィッテンポテンシャルの保型性を調べた.分担者小西はフロベニウス構造の概双対性の研究を行った.とくに,概双対性を計量なし齋藤構造へ一般化し,既約複素鏡映群の軌道空間上の齋藤構造の構成に応用した.分担者安田は野性マッカイ対応の基礎付けや応用の研究を行った.形式的トーサーのモジュライ空間の構成や野性的商特異点が良い性質を持つための特徴付けなどの成果を得た.分担者大川は中心上有限な非可換代数多様体の分類に向けてb-因子に対する極小モデル理論を整理した.導来同値と代数多様体のGrothendieck環との関係についてhyperケーラー多様体からなる例を挙げた.分担者岩木は完全WKB解析と位相的漸化式に関する研究を行い,射影空間の量子微分方程式とスペクトル曲線の量子化の一致を示し, そのStokes構造と壁越え現象に関する結果を得た.分担者神田は海外共同研究者とArtin-Schelter正則代数およびCalabi-Yau代数に関する研究を行い,与えられたCalabi-Yau代数の中心拡大が射影空間上の平坦族をなすことを証明した. これらの研究成果の多くはすでに論文としてまとめられ,現在雑誌に投稿中である. また,ミラー対称性・双有理幾何学に関する国際研究集会・国内研究集会等を開催し,最新の研究成果についての講演をもとに,参加者たちと活発な研究交流を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者・分担者のいずれも順調に個別・共同研究を進めることができており,研究成果を論文としてまとめ発表することができている.また,雇用している特任教員についても同様である.開催した国際研究集会や勉強会・セミナー等も非常に充実した内容であり,活発な研究交流がなされ,当該分野の進展に大きく貢献するものとなっている.
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進展しているので,現在の体制・方法を継続する.
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Research Products
(50 results)