2019 Fiscal Year Annual Research Report
周期の理論と双有理幾何学の融合,ミラー対称性研究の新時代
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16H06337
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 篤史 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50314290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 修 大阪大学, 理学研究科, 教授 (60324711)
入谷 寛 京都大学, 理学研究科, 教授 (20448400)
小西 由紀子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (30505649)
安田 健彦 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30507166)
大川 新之介 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (60646909)
岩木 耕平 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (00750598)
神田 遼 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 特任講師 (50748324)
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Project Period (FY) |
2016-05-31 – 2021-03-31
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Keywords | 幾何学 / 代数学 / 数理物理学 / ミラー対称性 / 双有理幾何学 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者高橋は群作用付き斉次孤立超曲面特異点に対するJacobi環や整数構造に関するミラー対称性の研究や,圏論的力学系やBridgeland安定性の着想に基づく導来圏の次元の研究,Hurwitz空間のFrobenius構造の研究を行った. 分担者藤野は対数的曲面の極小モデル理論を藤木のクラスCまで拡張し,混合オメガ層の理論を論じた.分担者入谷はトーリック軌道体の標準類を保たない双有理変換の下での量子コホモロジーの変化について研究を進め,導来圏の半直交分解と関係づけた.分担者小西は複素鏡映群の軌道空間上の計量なし齋藤構造について引き続き研究し,双対関係にある概齋藤構造の積は鏡映とその位数から自然に定まるというArisie- Lorenzoniによる予想についてimprimitive 複素鏡映群では正しいことを調べた.分担者安田はモチーフ積分を用いた数論的特異点の研究を行い,等標数において野性的Deligne-Mumfordスタック上でモチーフ積分理論を構築,任意の有限群に対し野性マッカイ対応を証明した.分担者大川は連接層の導来圏の半直交分解についてモジュライの観点から基礎的な研究を行った.分担者岩木はBPS構造から定まるRiemann-Hilbert問題を完全WKB解析および位相的漸化式の観点から研究し,位相的漸化式の分配関数とRiemann-Hilbert問題のtau-函数の本質的同等性を複数の具体例で確認した.分担者神田は楕円代数に関する研究を継続し,ある条件の下で,付随する非可換スキームが楕円曲線の直積を閉部分スキームとして含むことを示した. これらの研究成果の多くはすでに論文としてまとめられ,現在雑誌に投稿中である. また,ミラー対称性・双有理幾何学に関する国際研究集会・国内研究集会等を開催し,最新の研究成果についての講演をもとに,参加者たちと活発な研究交流を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者・分担者のいずれも順調に個別・共同研究を進めることができており,研究成果を論文としてまとめ発表することができている.また,雇用した特任教員についても同様である.開催した国際研究集会や勉強会・セミナー等も非常に充実した内容であり,活発な研究交流がなされ,当該分野の進展に大きく貢献するものとなっている.
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Strategy for Future Research Activity |
Covid-19の影響を受けるものを除き,研究計画は順調に進捗しているので,現在の体制・方法を維持する.Covid-19により海外渡航が全くできなくなり,国際研究集会での研究発表や,シード期にある研究を発展させるための国際共同研究を延期せざるを得ない状況が継続している.エクスパンション期・レーター期にある研究ステージをそれぞれ成長させることに研究力を集中することで,研究を推進させる.
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