2018 Fiscal Year Annual Research Report
Precise determination of the proton charge radius by electron scattering off proton at ultra-low momentum transfer
Project/Area Number |
16H06340
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須田 利美 東北大学, 電子光理学研究センター, 教授 (30202138)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 暁 東北大学, 電子光理学研究センター, 助教 (10422073)
前田 幸重 宮崎大学, 工学部, 准教授 (50452743)
|
Project Period (FY) |
2016-05-31 – 2021-03-31
|
Keywords | 陽子電荷半径 / 電子弾性散乱 / 陽子電荷形状因子 / 極低運動量移行 / ローゼンブルース分離 / 低エネルギー電子散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
史上最低エネルギーでの電子・陽子弾性散乱より最も信頼度の高い陽子電荷半径の決定を目標に、該当年度は以下の研究を推進した。
1)散乱電子スペクトロメータ建設: 双極電磁石からなる散乱電子スペクトロメータを建設し、東北大学電子光理学研究センターの第一実験室に設置した。本スペクトロメータは、電磁石磁極形状の工夫により焦点面での2次元位置情報測定のみで必要な物理情報が取得可能な特殊な光学的性質を有する。陽子の電荷と磁化情報を分離するために必要な散乱角度での測定に対 応するため、5トン程度の散乱電子スペクトロメータの標的に対する散乱角度を自由に設定するための駆動機構を伴う回転架台も設置した。 2)シリコンストリップ検出器: 散乱電子スペクトロメータの焦点面に設置するシリコンストリップ検出器の製作、調整、そして高エネルギー単色電子ビームを用いた性能試験を行った。検出器は 100 x 100 mm2 の有感領域を持ち 200 ミクロンの位置分解能を有する。シリコンストリップと回路系とのボンディング、放射線源を利用した動作テストを行った後、実際の測定環境を模した環境での高エネルギー電子ビームを利用した測定から、ノイズや各チャンネル間のクロストーク、そして位置分解能を含む検出器の総合テストを行った。 3)東北大電子光理学研究センターの低エネルギー電子直線加速器からの電子ビームを、低エネルギー電子・陽子散乱用標的まで輸送するための、高エネルギー分解能を有するビーム輸送系を建設、完成させた。 4) 特殊CH2 標的製作方法確立:電子弾性散乱断面積の絶対値を 0.1 % の高精度で決定する必要がある。そのために 12C アイソトープ濃縮した特殊な 12CH2 を製作し、それらを電子散乱実験に使用する形状(50 x 50 x 0.1 mm3)のシートに整形す る方法の検討を継続した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
電子・陽子弾性散乱測定のシリコン検出器を性能試験実施中に破損させ測定器開発研究が停止したため遅れが生じた。その後新検出器を組み上げ、高エネルギー電子ビームを用いた基本性能測定を行いようやく遅れを取り戻すことができた。すでに本研究に必要な最低限の性能を有していることは確認できている。 低エネルギー電子加速器からの電子ビームが供給され次第、検出器を散乱電子スペクトロメータの焦点面に設置し本測定開始に必要な測定を開始する予定としている。
|
Strategy for Future Research Activity |
低エネルギー電子直線加速器を含め電子ビーム供給の準備が整い次第、散乱電子測定用のシリコン検出器を散乱電子スペクトロメータに設置し、陽子や炭素原子核から散乱された低エネルギー電子の検出を試みる。並行して、電子ビームのエネルギーそして強度の安定性、散乱電子測定に邪魔になるバックグランド、などの調査、改善を進め、本測定開始を目指す。
|
Research Products
(20 results)
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Measurement of Proton Charge Radius by Low-Energy Electron Scattering2018
Author(s)
T. Suda, T. Aoyagi, Y. Honda, Y. Maeda, S. Miura, T. Muto, K. Namba, K. Nanbu, K. Takahashi, T. Tamae and K. Tsukada
-
Journal Title
Journal of Particle Accelerator Society of Japan,
Volume: 15
Pages: 52-59.
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-