2018 Fiscal Year Annual Research Report
Searching for a sterile neutrino at J-PARC MLF
Project/Area Number |
16H06344
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
丸山 和純 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80375401)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 健夫 北里大学, 理学部, 教授 (00323999)
末包 文彦 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 教授 (10196678)
嶋 達志 大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (10222035)
明午 伸一郎 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究主幹 (80354728)
長谷川 勝一 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究主幹 (90391333)
|
Project Period (FY) |
2016-05-31 – 2021-03-31
|
Keywords | ニュートリノ |
Outline of Annual Research Achievements |
JSNS2実験は2018年度末までに、(1)ステンレスタンクとアクリルタンクの作製(設置リハーサルを含む)、(2)光電子増倍管のサポート構造、本体からのニュートリノ相互作用事象感度部と宇宙線除去領域を分ける光学分離版(黒いアクリル板)の設置、(3)液体シンチレータの作製(韓国共同研究者)、日本への輸送、日本での保管・質の管理、(4)電子回路の仏国の他実験からの寄贈、(5)高速LED較正系の準備(英国)、日本への輸送を行った。 また、J-PARC物質・生命科学研究施設(MLF)に検出器設置するための安全や設置に対する問題点の協議・改善などもこの3年で大きな進捗を得た。(あ)検出器自身の強度、(い)施設耐荷重との整合性、(う)大量の液体シンチレータを扱うための消防法への適合・申請、(え)施設の沈下へのインパクト、(お)耐震性、(か)クレーン作業でのスロッシング効果、(き)液体シンチレータの保管・取り扱い方法、(く)液体シンチレータの充填・抜取りの場所に関する議論、(け)他のMLF内作業への干渉 等を議論し、「実験開始に向け、安全上や法律上の問題はない。」との結論を得た。 以上の検出器建設状況、また、施設との安全協議等を踏まえて、2018年の11月には、J-PARC/KEKから「ステージ2」と呼ばれる最終実験開始許可を得ることが出来た。これは、本研究の基盤研究(S)の採択後に得た強力な結果の一つとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定とおり、ステンレスタンク、アクリルタンク、光電子増倍管サポート、電子回路、データ取得系、等の検出器の建設が進んでいる。これは、「2018年度内にほぼこれらの建設を終える」と書いてあった、当初予定とほぼ同じペースである。 また、J-PARC 物質・生命科学研究施設での実験開始に向け、J-PARCセンター内の安全評価委員会(大きな分類で3つ、その内部まで含めると計8回)にて、詳細検討を含めた検討会を開催し、安全や実験開始に向けた問題点の洗い出し、改善点の検討まで行った。これらの検討から、「実験開始に向け、問題はない」、との評価を検討会答申として得ている。 以上の観点から、2019年度内の実験開始は当初予定とおり進められる状況である。 これに加えて、基盤研究(S)の採択後、KEK/J-PARCからステージ2と呼ばれる最終実験開始許可を得るとともに、韓国や英国の強力な共同研究者を得るなど、当初の目的を超えるような進展もみせている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度内には建設が終わった検出器を予定通りJ-PARC物質・生命科学研究施設の3階に設置し、データ取得を開始する。速やかな検出器較正を行い、物理結果の速やかな発表を目指す。このために、検出器建設、施設との安全等の協議は順調に進んでおり、高エネルギー加速器研究機構・J-PARCからも最終実験開始許可(ステージ2)を得ている。元々の研究目的を達成することは十分可能な状態であると言える。
|
Research Products
(11 results)