2020 Fiscal Year Annual Research Report
神経行動形質を決定付ける遺伝子―環境相互作用の細胞機構
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16H06371
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
山元 大輔 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所, 上席研究員 (50318812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 賢一 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80214873)
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Project Period (FY) |
2016-05-31 – 2021-03-31
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Keywords | 神経可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
fruitless (fru)突然変異体の雄が示す同性間求愛は、fru遺伝子の機能欠損に加えて、羽化後に他の雄とともに過ごす体験があって初めて顕在化することがわかっている。そこで、羽化後に隔離して社会経験をはく奪した個体と、雄同士の集団生活を経験させた個体とで、求愛開始機能を担うP1介在ニューロンの生理的特性にどのような違いがあるかを検討してきた。昨年度までに実施した主として電気生理学的な解析から、P1ニューロンの膜特性が羽化後の社会経験の有無により、顕著な違いを示すことが判明している。そこで令和2年度では、そうした生物物理学的変化に基盤となる分子機構を解明すべく、P1ニューロン特異的に生ずる社会経験の有無に相関した転写レベルの差を探索した。まず、我々がrobo1をFruMの直接の転写標的として同定した際、その結合コンセンサス配列と決定したモチーフと一致する配列をゲノムワイドにin silicoで探索した。その中には経験依存的な膜特性変化に寄与する電位依存性K+チャンネルのサブユニット遺伝子、Shとeagが含まれていた。続いて、二つの手法でP1ニューロンに生ずる経験依存的な転写様態の変容の実測を試みた。第1の方法は、Tandemly tagged ribosomal trap (T-TRAP)を自ら改良したコンストラクトを用い、翻訳のためにリボゾームに蓄積したmRNAをタグ標識リボゾームタンパク質との共沈降により得るというもので、P1ニューロン特異的に得た沈降物のRNA-seqにより社会経験に相関して増減する遺伝子のカタログ化を実現した。第2の方法は、patch-clamp電極に接着した単一ニューロンからRNAを抽出してRNA-seqに供するいわゆるPatch-seqである。こちらについても良好な結果を得、飼育条件に依存した顕著な遺伝子転写プロファイルの差の検出に成功した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)