2016 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族カルボン酸からのアルコール合成を実現する不均一選択水素化触媒プロセスの開発
Project/Area Number |
16H06595
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鳥屋尾 隆 北海道大学, 触媒科学研究所, 助教 (80775388)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 不均一系触媒 / 水素化 / DFT計算 / マシーンラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では芳香族環を有するカルボン酸化合物の選択水素化によるアルコール合成を実現する不均一系触媒プロセスの開発を目的としている。研究実施者はReをTiO2に担持した触媒(Re/TiO2)を用いてすでに本反応を高効率かつ高選択的に進行させることを可能としている。その成果は下記論文として報告した。(Toyao, T.; Siddiki, S. M. A. H.; Touchy, A. S.; Onodera, W.; Kon, K.; Morita, Y.; Kamachi, T.; Yoshizawa, K.; Shimizu, K. TiO2-Supported Re as a General and Chemoselective Heterogeneous Catalyst for Hydrogenation of Carboxylic Acids to Alcohols. Chemistry-A European Journal, 2017, 23,1001-1006)また、アミドやエステルといった種々のカルボン酸誘導体の選択的水素化に対しても本触媒系が有効であることを確認している。 今後は、本触媒系のさらなる高効率化や幅広い基質適応性の達成を目的として、DFT計算やマシーンラーニングといった手法を用いながらより高活性な触媒の開発を行う。また、流通系反応装置を用いた評価も行い、社会実装を視野に入れた検討も行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究目的であった芳香族環を有するカルボン酸化合物の選択水素化によるアルコール合成を実現する不均一系触媒の開発は達成し、下記の論文としてすでに報告している。(Toyao, T.; Siddiki, S. M. A. H.; Touchy, A. S.; Onodera, W.; Kon, K.; Morita, Y.; Kamachi, T.; Yoshizawa, K.; Shimizu, K. TiO2-Supported Re as a General and Chemoselective Heterogeneous Catalyst for Hydrogenation of Carboxylic Acids to Alcohols. Chemistry-A European Journal, 2017, 23,1001-1006) さらに、アミドやエステルといった種々のカルボン酸誘導体の選択的水素化に対しても本触媒系が有効であることを確認しており、おおむね当初の研究計画通りに成果が得られているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に達成した各種カルボン酸誘導体(カルボン酸、エステル、アミド)の選択的水素化反応における基質適応範囲の拡大を行う。これにより本研究で開発したRe/TiO2触媒の一般性がより拡がることが期待できる。また、各種分光法やDFT計算を利用して反応メカニズムの解析を行い本触媒系における触媒作用の理解および新規触媒の設計指針を得る。ここで得られた知見と研究実施者が行っているマシーンラーニングを組み合わせることで、より高機能な触媒の開発を行う。加えて、流通系反応装置を用いた評価も行い、社会実装を視野に入れた検討も行う。
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Research Products
(6 results)