2016 Fiscal Year Annual Research Report
放射線診療を受ける子どもとその家族の不安に関する基礎的研究
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16H06612
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
扇野 綾子 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (70400140)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 看護学 / 小児 / 放射線 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線診療を受ける小児と家族の放射線に関する認識を明らかにするために調査を行い、以下の結果を得た。 1)心臓カテーテル検査を受ける子どもと家族に対して、検査入院時にアンケートを行った。その結果、子ども4名、家族20名から回答が得られた。子どもから得られた結果について、回答時の年齢はいずれも10歳以上であった。検査について心配がありますか、という質問に「あり」と答えたのは4名中3名であり、その内容で最も多いのは「検査の時に痛くないか」であった。また、家族への調査結果について、検査を受ける子どもの平均年齢は4.7歳であり、検査を受けた回数は今回が平均2.5回目であった。子どもの検査について心配があると答えたのは16名(80%)であり、その内容で最も多いのは「検査後の安静について」で12名(75%)、次いで「検査後の痛みについて」が11名(69%)であった。「検査で放射線を使うことについて」心配があると答えた対象者はいなかった。アンケートの自由記載によると、検査で放射線を使うことを知らなかったと答えた対象者もおり、家族の認識は医師の説明による可能性も考えられた。 2)放射線診療を受ける子どもと家族の不安を間接的に明らかにするため、小児科に勤務する看護師にアンケートを行った。その結果33名から回答が得られた。回答者の看護師経験年数は平均11年3か月であり、全員が放射線診療を受ける患者を受け持った経験があった。家族や患者本人から放射線被ばくに関して相談を受けたことがある者は1名(3%)おり、その具体的内容は医療被ばくの量と影響を心配するものであった。また、放射線看護に関する研修を受けたことがあると答えた割合は、15名(45%)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りデータ収集と分析をすすめることができている。 但し、調査協力施設での心臓カテーテル検査の実施件数及び調査を依頼できる件数が予定よりやや少なくなっているため、平成29年度も引き続きデータを加えていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度もデータ収集と分析を継続する。 1)平成28年度に引き続き医療機関で心臓カテーテル検査を受ける子どもと家族に対して、検査を受ける際の不安や心配について質問するアンケートを実施する。特に子どもへのアンケートは回答可能な年齢が限られるため、データ数が少なくなっている。平成29年度も引き続き調査を行い、調査期間を予定より延長することでデータを補っていく。 2)さらに健康な子どもの家族が医療被ばくついてどのような認識をもっているのかを明らかにするために、調査を行う。対象としては、保育園または幼稚園に通っている子どもの保護者を予定している。 これらの調査結果を分析することによって、子どもの健康状態と医療被ばくへの不安との関連について示唆を得られると考える。
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