2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16H06614
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井之上 直也 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (80778605)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 自然言語処理 / 人工知能 / 論理推論 / 談話解析 / 常識推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
下記の二つの課題それぞれに対して、次のような成果が得られた。
(1) 課題1: 論述文からの構造的知識の抽出技術の開発 一次知識の構造化の前段階として、大規模コーパスからの一次知識の抽出、一次知識の表現方法についての基礎的検討を行った。具体的には、約2万件の自然言語処理の論文データを集めた ACL Anthology Reference Corpus より、数百万のオーダで関係知識(一次知識)の抽出を行い、その中に (TFIDF, is used for, feature weighting) のような有用な関係が多く含まれることがわかった。さらに、大規模 Web コーパスより 20 億個の因果関係知識を抽出し、知識表現として複単語表現を考慮することの重要性を実験により確認した(佐々木ら 2016)。また、スクリプト的な知識の表現方法として、RNN エンコーダ・デコーダモデルにより得られる分散表現的アプローチについても検討を行い、従来の記号的アプローチに対する有用性を実験により確認した (Roemmele et al. 2017)。
(2) 課題2: 構造的知識に対する基礎的演算の実現 構造的知識間の関係認識の枠組みとして、論理推論に基づく枠組みについて検討し、論理に基づく仮説推論の一種である Etcetera Abduction (Gordon AAAI2017) の推論効率を改善することに成功した (Inoue et al. 2017)。また、本研究の応用先の一つであるディベート理解を見据え、ディベート理解のタスクを設計した。Argumentation Mining コミュニティで構築された中規模エッセイコーパスに対して実際にアノテーションを行い、アノテーション結果の分析を行った (Reisert et al. 2017)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題1・課題2ともに、おおむね当初の研究内容に沿って研究が進んでおり、対外的な成果発表も行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
年度の前半は、課題1に重点的に取り組み、年度の後半で徐々に課題2への取り組みを重点化していく。具体的には、前年度の研究で得られた一次知識のデータベースや知識表現に関する知見を活かし、知識の成立条件の表現など、前年度十分に検討ができなかった一次知識の構造化を進める。また、前年度の論理推論に基づく知識演算機構のアイデアをさらに発展させ、分散表現と論理推論を組合せた柔軟な知識演算機構を構築する。最後に、構造化した一次知識を知識演算機構に投入し、前年度検討を重ねたディベート理解タスクの上で取り組みの評価を行う。
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Research Products
(5 results)