2016 Fiscal Year Annual Research Report
多角的脳イメージングによる他者からの社会的評価に関わる神経機構の解明
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16H06620
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川崎 伊織 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (10779367)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 認知神経科学 / パーキンソン病 / 脳画像法 / 価値表象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、健常者と神経変性疾患患者を対象に、他者からの社会的評価における価値表象プロセスの加齢に伴う生理学的変化、脳損傷に伴う神経学的変化の背景にある神経基盤を多角的な脳イメージング法を用いて、脳の機能的側面と構造学的側面から明らかにすることである。具体的には、評定課題を用いて(1)加齢変化を検討するため健常若年者と健常高齢者を比較、(2)神経学的変化を検討するため健常者とパーキンソン病患者の比較を行い、脳画像データの関連を検討する。これらのデータを相補的に検討することで、価値表象プロセスの包括的理解を進められると考えている。そして本研究で得られる成果は、心理学および神経科学の分野に資するだけでなく、新たな治療法やリハビリテーション方法の開発にとっても重要な知見となり得る。 本年度は、申請者が過去に行った先行研究(Kawasaki et al., 2016, Neurosci Res)で用いた評定課題を本研究課題に応用させ、新たな実験刺激の作成と予備実験として明らかな認知機能の低下がないパーキンソン病患者数名に対して行動実験を施行した。患者群で得られた結果から、実験全体での疲労度や課題の難易度等を考慮し、修正を加えている段階である。脳画像データの取得に関しては、患者への行動実験後に身体状態を確認しながら進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた実験課題が、対象となるパーキンソン病患者にとって疲労度が高く、課題の難易度と併せた調整に時間を要している。さらに使用予定のMRI装置が臨床用であり、使用時間帯の調整にも時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験課題を作成し、健常者・パーキンソン病患者問わず、実験同意がとれ次第、随時行動データから取得していく予定である。
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