2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study of social studies classes that form hope for society
Project/Area Number |
16H06657
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
村井 大介 静岡大学, 教育学部, 講師 (80779645)
|
Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
|
Keywords | 社会系教科 / 授業 / 希望 / 授業実践記録 / 教師 / 現代社会の諸課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、教師が社会系教科の授業を通して実現しようとしてきた希望を、授業実践の記録と教師の語りから分析し、社会への希望を育む社会科授業の原理と方法を明らかにすることである。2年目(平成29年度)は、教師のライフストーリーの語りと、現代社会の諸課題を取り上げた授業実践記録を主に分析した。 教師のライフストーリーの語りを分析した結果、教師は、自身の言葉で授業を通して実現したい希望を形成しており、希望の背景には、生徒のニーズや、社会的な要請、学問的な要請があることを明らかにした。しかし、具体的な授業実践までは十分に分析できなかった。 そのため、学会誌に掲載されている中等公民教育の授業実践記録を分析した。その結果、教師が現代社会の諸課題を教材化する際の根源的な問いには、「生徒が現代社会の諸課題に対峙していく上で求められる資質・能力は何か」「誰の視点からどのような現代社会の諸課題を取り上げるのか」という二つの問いがあることを明らかにした。また、多くの授業では、社会での現実と授業を如何に接続するのか、如何に生徒に切実性を持たせるのかということが課題となっており、この課題を克服する方法が授業を開発する際の重要な視点になり、生徒が授業を通して社会への希望を形成する上でも一つの鍵になっていた。 本研究では、以上の知見を授業実践の開発へと応用し、社会科及び公民科で実践できる活動を提案した。具体的には、「社会的な見方・考え方」の視点と、社会に対する願い(希望)に着目し、自己とのかかわりを考えながらニュースを読み解き、紹介し合う活動を提案した。 希望を持てず社会への参加意欲の乏しい若者の存在が学習指導要領改訂の際の議論でも重要な課題として取り上げられていた。こうしたなかで、本研究は、児童・生徒が社会への希望を形成した授業に共通してみられる開発原理と方法の一端を明らかにした点で、意義があるといえる。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|