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2016 Fiscal Year Annual Research Report

近代日本のローカルアーキテクト・更田時蔵の創作活動に関する研究

Research Project

Project/Area Number 16H06665
Research InstitutionUtsunomiya University

Principal Investigator

大嶽 陽徳  宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 助教 (20782551)

Project Period (FY) 2016-08-26 – 2018-03-31
Keywordsデザイン学 / 建築史・意匠 / 都市計画・建築計画 / 美術史
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、近代日本のローカルアーキテクト・更田時蔵に関する資料をもとに、更田時蔵の創作活動の特徴を解明することで、近代日本における建築家の地域に根ざした創作活動の一端を明らかにすることを目的としている。この目的を達成するために、まず、更田時蔵に関する資料の概要を把握して(STEP 1)、次に、STEP 1で把握した資料の概要に基づいて更田時蔵の創作活動の特徴を解明し(STEP 2)、最後に、同時代の建築家との比較を通して近代日本のローカルアーキテクトの創作活動の特徴を解明する(STEP 3)といった3つの段階を設定して研究を進めている。平成28年度においては、交付申請書の研究実施計画に記載したように、上述の3つの段階のなかのSTEP 1に重点的に取り組み、以下の2点の成果を挙げた。
第一に、更田時蔵に関する資料を収集・整理し、268作品の図面資料、2件の雑誌発表記事資料、1件の機関誌掲載資料、および1件の新聞記事資料があることを明らかにした。なかでも、図面資料に関しては、作品名や用途などの情報をまとめてリストを作成した。さらに、現在入手可能な図面資料、雑誌発表記事資料、機関誌掲載資料、および新聞記事資料については写真撮影を行い、ヴィジュアルデータ化した。
第二に、上述の図面資料のリストを基に、更田時蔵の設計活動を検討し、昭和12年~18年が、戦時中の厳しい統制下にもかかわらず、栃木県内の広い地域で様々な用途の建築物を数多く設計していた、最も盛んに活動した時期であることを明らかにした。
これらの成果の意義や重要性については、文化的価値の高い資料の収集・データベース化を行い、STEP 2における更田時蔵の創作活動の特徴を解明するための基盤を構築した点と、近代日本のローカルアーキテクトを代表する建築家のひとりである更田時蔵の設計活動の概要を学術的に解明した点が挙げられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実績の概要でも述べたように、本研究の目的は、近代日本のローカルアーキテクト・更田時蔵に関する資料をもとに、更田時蔵の創作活動の特徴を解明することで、近代日本における建築家の地域に根ざした創作活動の一端を明らかにすることである。そして、この目的を達成するために、まず、更田時蔵に関する資料の概要を把握して(STEP 1)、次に、STEP 1で把握した資料の概要に基づいて更田時蔵の創作活動の特徴を解明し(STEP 2)、最後に、同時代の建築家との比較を通して近代日本のローカルアーキテクトの創作活動の特徴を解明する(STEP 3)といった3つの段階を設定して研究を進める計画を立てた。
平成28年度においては、上述の3つの段階のなかのSTEP 1に重点的に取り組み、次の成果を挙げている。まず、更田時蔵に関する資料を収集・整理し、268作品の図面資料、2件の雑誌発表記事資料、1件の機関誌掲載資料、および1件の新聞記事資料があることを明らかにし、これらのうち現在写真撮影可能な資料はヴィジュアルデータ化して更田時蔵に関する資料のリストを作成した。次に、上述の更田時蔵に関する資料のリストのなかで、図面資料のリストに着目して、それをもとに更田時蔵の設計活動の概要を検討し、昭和12年~昭和18年が、戦時中の厳しい統制下にもかかわらず、栃木県内の広い地域で様々な用途の建築物を数多く設計していた、最も盛んに活動した時期であることを明らかにした。
このように、平成28年度においては、STEP 2での図面資料を基にした、更田時蔵の設計手法の特徴を解明するための段階に進むための基盤を構築することができた。これは、平成28年度の交付申請書の研究実施計画に記載した通りの進捗であり、本研究はおおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

研究実績の概要および現在までの進捗状況でも述べたように、本研究では、まず、更田時蔵に関する資料の概要を把握して(STEP 1)、次に、STEP 1で把握した資料の概要に基づいて更田時蔵の創作活動の特徴を解明し(STEP 2)、最後に、同時代の建築家との比較を通して近代日本のローカルアーキテクトの創作活動の特徴を解明する(STEP 3)といった3つの段階を設定して研究を進める計画を立てている。これまでは、STEP 1に重点的に取り組み、成果を挙げてきた。今後はSTEP1で得られた成果をベースにして、STEP2とSTEP3に取り組んでいく予定である。以下に、具体的な推進方策について述べる。
これまでに取り組んできたSTEP1において、更田時蔵に関する資料を収集・整理したところ、図面資料が中心であることが分かった。なかでも、設計図書がほとんどであった。そこで、まず、STEP2では、更田時蔵の設計図書を対象に、建築家の創作活動において最も重要なもののひとつである、建築に関する設計手法の特徴を解明することに取り組む予定である。具体的には、更田時蔵の設計図書から、図面の種類の構成、平面計画の特徴、立面の造形的な特徴などを読み取ることを通して、更田時蔵の設計手法の特徴を解明していく。その際には、こうした作業を効率的に進めるために、設計図書のなかから、更田時蔵の設計手法の特徴が良く表れていると考えられる、代表的な作品に限定して分析を行う。そして、STEP3では、STEP2で得られた更田時蔵の創作活動の特徴と、辰野金吾などの同時代に国家形成に携わった代表的な建築家の創作活動を比較することで、近代日本におけるローカルアーキテクトの設計手法の特徴を相対的に明らかにしていく。
以上によって、更田時蔵の創作活動の特徴を解明して、近代日本における建築家の地域に根ざした創作活動の一端を明らかにしていく。

  • Research Products

    (2 results)

All 2017

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 建築家更田時蔵の設計活動 -近代のローカルアーキテクトに関する研究-2017

    • Author(s)
      大嶽陽徳,岩渕達郎,安森亮雄
    • Journal Title

      日本建築学会大会学術講演梗概集F-2

      Volume: - Pages: 印刷中

  • [Presentation] 建築家更田時蔵の設計活動 -近代のローカルアーキテクトに関する研究-2017

    • Author(s)
      大嶽陽徳,岩渕達郎,安森亮雄
    • Organizer
      2017年度 日本建築学会大会
    • Place of Presentation
      広島工業大学(広島県・広島市)
    • Year and Date
      2017-08-31 – 2017-09-03

URL: 

Published: 2018-01-16  

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