2016 Fiscal Year Annual Research Report
生体内の代謝組織におけるHELZ2の核内受容体を介する機能解析
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16H06668
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
吉野 聡 群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (90786089)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 肥満 / 転写因子 / 脂肪組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.HELZ2のPPARgおよび糖代謝、インスリン抵抗性への機能を解明に関する研究 HFD負荷下におけるHELZ2 KOマウスは16週令以降より肥満抵抗性を示すため、18週令前後のND負荷下のWTマウスおよびHELZ2 KOマウスにPPARgのリガンドでインスリン抵抗性改善剤として糖尿病治療に使われているピオグリタゾンを1週間腹膜内投与をした。1-2週間投与したマウスの耐糖能およびインスリン感受性をIPGTT、ITTを行い確認した。その結果、NDではWT,KO間で体重変化および脂肪重量の変化は認めなかった。糖負荷試験では、両軍ともピオグリタゾンの効果と思われる血糖低下を認めたがKOマウスではその効果は減弱した。インスリン負荷試験では差は認めなかった。これはインスリン投与前の血糖値が高くないためと考えられた。HFD負荷下ではもともとKOマウスは肥満抵抗性を示すが、WT,KO間で体重変化に差は認めなかった。糖負荷試験、インスリン負荷試験ともに、KOマウスでもピオグリタゾンの効果は認めるもののWTより減弱していた。この結果はおおむね予想通りであり、HELZ2が生体内の脂肪組織においてPPARgの転写活性型共役因子であることが確認できHLEZ2の機能を解析する上で、重要な発見であった。 2.HELZ2のサーカディアンリズムの解明に関する計画 ND負荷下のWTマウスにおける、肝臓、白色脂肪組織、褐色脂肪組織におけるHELZ2のmRNAの発現量の変化の日内変動を確認した。その組織においてもHELZ2のmRNA発現量h1.5倍程度の変化を認めた。これは時計遺伝子と比較すると変動は大きくないが、時計遺伝子にかかわる核内受容体の共役因子として機能するならば、KOマウスでは時計遺伝子の発現量の変化がる可能性を示唆する結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
もともと24か月の計画をたて申請しているが、年度交付のため実際には18か月の時間しかなく、今年度は6か月の研究期間のためやや遅れています。
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Strategy for Future Research Activity |
1.HELZ2のPPARgおよび糖代謝、インスリン抵抗性への機能を解明に関する研究 NDおよびHFD負荷下でピオグリタゾンを投与したマウスの肝臓、脂肪組織におけるPPARgのターゲット遺伝子群の発現変化をリアルタイムPCR法で確認する。その後は計画通りに行う。 2.HELZ2のサーカディアンリズムの解明に関する計画 HFD負荷下のWTマウスにおけるHELZ2のmRNAの発現量の日内変動を確認する。さらにND,HFD負荷下のKOマウスにおける時計遺伝子の発現量の日内変動をか確認する、こちらも計画通りに行う。 褐色細胞およびブラウニングに関する研究についても計画通りに行う予定である。
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