2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on design of teacher professional development program for improving quality of learner-centered lesson
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16H06683
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯窪 真也 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (40609971)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | アクティブ・ラーニング / 教員研修 / 行政研修 / 知識構成型ジグソー法 / 学習科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アクティブ・ラーニング型授業の実践力育成のための行政研修プログラムの比較検討により、効果的な研修プログラムのデザイン指針を得ることである。 この目的のため、研究代表者及びその所属機関が連携する埼玉県教育委員会等による「知識構成型ジグソー法」による授業デザインを取り入れた行政研修のプログラムとその成果の比較検討を行うと共に、研修を担当する教育行政関係者(指導主事等)を集めて、意見交流及び聞き取りを行った。今年度は特に、継続的な授業改善を学校現場に根付かせるための行政研修デザインの可能性として、広く浅く(なるべく多くの受講者が参加できる研修デザイン)のアプローチ、深く狭く(参加者を研究実践の中核教員に絞った集約的な研修のデザイン)のアプローチという類型化を行い、その成果の比較検討を行った。 研究代表者らは「知識構成型ジグソー法」という1つの授業手法を核にし、研修の中で授業改善のPDCAサイクル(授業立案・実践・振り返り)を回すことを通じて、手法の習得に留まらないアクティブ・ラーニング型授業の実践力育成を目指してきた。しかしながら、聞き取りや受講者の実践研究への継続的な参加状況の調査からは、こうしたサイクルを年間3日程度の研修を通じて1度回すプログラムでは、研修のゴールに対して十分な効果が見込めないことが明らかになった。それに対し、年間5日の研修でサイクルを2回回すプログラム及びそれを他の研修や研究事業と連携させるデザインによって、中長期的にゴールを達成できる可能性も明らかになった。また、サンプル数は少ないものの、最初から広く浅くのアプローチを採用した研修プログラムは年数を重ねても研修担当者に変化の手応えが得られなかったのに対し、深く狭くのアプローチで中核教員の養成から始めたプログラムでは、研修担当者が変化の手応えを得ながら事業規模を拡大していったことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、研究代表者及びその所属機関が過去に行った行政研修プログラム及びその成果について、研修を担当する教育行政関係者への聞き取りを含む比較検討を行った。その結果、研修のゴールに即して、研修デザインの大枠についての原則を明らかにすることができた。 また、研究を通じて明らかになった知見を書籍及び学術論文で公表することができた。この点については、当初の研究計画よりも進捗が見られた点である。 他方、平成28年度中に二回の聞き取り調査を予定していたが、研究協力者の予定変更のため、うち一回を次年度に繰り越すこととなった。この点については、当初の研究計画よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究で明らかになった研修デザインの大枠についての原則を基に、引き続き行政研修プログラム及びそこで得られた成果の比較検討を行いながら、授業力向上につながるより妥当性の高いデザイン原則抽出のための具体的な要素の抽出を行う。
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Research Products
(3 results)