2017 Fiscal Year Annual Research Report
The potential of patent pools as a tool for establishing an international environmental technology transfer scheme
Project/Area Number |
16H06701
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長越 柚季 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (20781090)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 技術移転 / 知的財産法 / 環境技術 / ライセンス契約 / パテントプール / 途上国 |
Outline of Annual Research Achievements |
(i) これまでの環境技術の国際移転の枠組:90年代以降に誕生したライセンシング・プラットフォームを10例検討し、その歴史的背景、応用可能性及び今後の実務の発展の展望について検討した。その結果、プール・ライセンシングの手法が分野を超えて普及しており、非営利目的での利用も進んでいること、また技術移転に止まらず、南北間での共同技術開発のための知財プラットフォームも作られていることが明らかになった。 (ii) 環境技術の国際移転を支えるライセンシング・プラットフォームの構想:形成途上の環境技術の国際共同研究プラットフォームに関わる技術者及び国際機関の担当者を対象にヒアリングを行い、研究の結果生まれた技術の国際ライセンシングによる移転・普及までをカバーするプラットフォームを、パテントプールの形成・管理手法を取り入れることで実現するというモデルを構築した。 (iii) 国内法における問題点の洗い出し:中国及びガーナにおける国内法の調査を行った結果、我が国や欧米で一般的なライセンス契約内容であっても、途上国の国内法によって違法とされる可能性があることが明らかにされた。途上国への技術移転はもとよりリスクが高く、さらに独自の規制への対応を求められると、非営利目的のプロジェクトであれば特に、技術移転の実現は難しくなる。 (iv) 国際的な実現の枠組:TRIPS協定の下では、技術ライセンシングの規制は各国の裁量に委ねられている。しかし、過度な規制や国際的な規制の不調和は技術を保有する企業が途上国への技術移転をためらう理由となる。そのため、技術移転の促進のためには、途上国のライセンシング規制改革は大変重要な意味を持つ。国際機関や外国特許庁による法整備支援は、先進国企業にとっても技術移転を含む投資を行う環境を整えるものであり、途上国にとっても、新しい技術を取り入れて発展できる契機となるであろう。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Book] Public-Private Partnerships, Global Intellectual Property Governance and Sustainable Development(内1章を担当)2018
Author(s)
Frederick Abbott, Sara Bannerman, Esteban Burrone,Thomas Bombelles, Margaret Chon, Jeremy de Beer, Ania Jedrusik, Anatole Krattiger, Melissa Levine, David Maurrasse, Yuzuki Nagakoshi, Chidi Oguamanam, Peter Yu
Total Pages
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Publisher
Cambridge University Press