2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a psychoeducational intervention program for first aid towards university students with depression.
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16H06708
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河合 輝久 東京大学, 学生相談ネットワーク本部, 特任助教 (60780509)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 大学生 / うつ病 / ファーストエイド / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は次の3点を検討した。第1に,大学生の抑うつ症状を呈する身近な友人へのファーストエイドの実行回避に伴う結果予期の詳細を,第2に,それらがファーストエイドの実行回避意図に及ぼす影響を検討した。この2点について定量的・定性的に分析した結果,大学生は抑うつ症状を呈する友人を援助するか否かを検討する際,援助する利益として自らの援助が友人の回復につながると予期する一方,援助するリスクとして友人が否定的に反応したり,自らの負担になることを懸念していた。また,援助しない利益として友人に過干渉にならずに済むと予期する一方,援助しないリスクとして友人の状態や症状が重篤化したり,友人からの信頼を失うことを懸念していた。尚,専門家の利用勧奨を検討する際も同様の利益とリスクを予期していた。そして,援助実行(利用勧奨)の利益と援助回避(利用非勧奨)のリスクを予期する大学生は,援助実行(利用勧奨)のリスクと援助回避(利用非勧奨)の利益を予期する大学生に比べ,推奨ファーストエイドを意図し,不適切な対応を意図していなかった。第3に,本研究成果を踏まえ,従来のファーストエイドのトレーニングに関するレビューを行った上で大学生の抑うつ症状に対するファーストエイドの心理教育プログラムを作成した。本研究成果から,うつ病を発病した友人に向き合うことを回避しようとする大学生は当該友人を過少評価しやすいこと,うつ病を認知できても援助実行のリスクと援助回避の利益の両方を予期する大学生は,それらを予期しない大学生に比べ,推奨ファーストエイドの実行意図が弱いことが明らかとなった。これらを新たな要素に加えたプログラムを考案した。構成は,1.うつ病の紹介,2.うつ病を発病した友人に接する際に生じる恐れとその機能,3.ファーストエイド方略の紹介,4.ファーストエイドの実行回避に際して予期される利益とリスクとその機能,であった。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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