2016 Fiscal Year Annual Research Report
Low-Latency Compact Object Searches with LIGO, Virgo and KAGRA in O2 and O3
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16H06714
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
カンノン キップ 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (50777886)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | gravitational wave |
Outline of Annual Research Achievements |
申請書には2つのゴールを記した:1つ目は、Advanced LIGO と Advanced Virgoによる観測ラン”O2”において、ブラックホールと中性子星の合体から生じる重力波の低レイテンシ探索システムをアップグレードすること。もう1つは、そのシステムが日本のKAGRA検出器からのデータを使えるように改良すること。これらの目的は達成された。また、東京大学がLIGO Scientific Collaborationに参加できるようにした。米国とカナダにいる研究者と協力しながら、GstLAL重力波検出システムにKAGRA検出器を取り入れ、何種類かのコンパクト天体の合体に対する感度を向上させるべくこのシステムを改良した。この検出システムはO2のデータ取得期間に用いられ、いくつもの重要な発見につながった。たとえば、GstLALシステムはGW170814という、Virgo検出器が初めて観測した重力波を発見した [Abbott, B. P., et al., Phys. Rev. Lett. 119, 141101 (2017)]。また、GstLALシステムはGW170817も発見した。これは初めて観測された中性子星合体からの重力波であり、また、初めて電磁波対応天体が同時観測された重力波天体でもあった [Abbott, B. P., et al., Phys. Rev. Lett. 119, 161101 (2017), Abbott, B. P., et al., Astrophys. J. Lett. 848, L12 (2017)]。カナダにいる共同研究者らとともに、私はGstLALシステムが将来何種類かのコンパクト天体の合体に対してさらに良い感度の検出器にも使えるようにこのシステムを改良した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に書いた計画はすべて完遂されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
東京大学の重力波天体物理学グループは人数は増える一方であり、LIGO, VirgoそしてKAGRAの観測網にこれまで以上に貢献する予定である。この科研費により開発された信号処理技術はいまやLIGO Scientific Collaborationの中心的な解析で用いられている。
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Research Products
(8 results)