2017 Fiscal Year Annual Research Report
Estimation of cumulus cloud-top vertical velocity using geostationary satellite rapid-scan measurements in the tropics and subtropics
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16H06720
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱田 篤 東京大学, 大気海洋研究所, 特任助教 (30550008)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 積雲 / 鉛直流 / 衛星観測 / トラッキング |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度に引き続き、千葉大学環境リモートセンシングセンターが提供するひまわり8号観測データのうち、バンド13(10.4マイクロメートル帯)およびバンド15(12.4マイクロメートル帯)のフルディスクデータを継続的に取得した。H28年度までに開発・改良した、積雲の発達を追跡するデータ解析プログラム群を、2016年1月から2017年12月までの2年間のフルディスク観測に適用し、積雲鉛直流分布の統計解析を行った。 ここでは熱帯域(南緯15度~北緯15度)における統計解析の結果を述べる。検出された積雲サンプルの数は、北半球夏季で多く冬季で少なく、この傾向は海上よりも陸上で顕著であった。終端雲頂高度の頻度分布は、海上では境界層上端高度、気温零度高度、および上部対流圏高度の3つに緩やかなピークが認められ、先行研究で指摘されて広く認識されている、所謂trimodalな構造と整合的である。 いっぽう、高度別の積雲鉛直流の確率分布には明確な季節変化は認められず、季節によらずロバストであることが示唆される。海上、陸上ともに、気温零度高度付近で鉛直流がわずかに増加する傾向を示しており、雲粒の凍結による潜熱放出の重要性が示唆される。終端雲頂高度別の平均的な鉛直流高度分布には、慣例的な考え方である「終端雲頂高度が高いほど、どの高度でも鉛直流は強い」という傾向が見られず、大変興味深い。ただし、現在用いている輝度温度から雲頂高度を決定する手法では、この傾向を定量的に検証するには不確実性が大きすぎるため、今後もアルゴリズムを改良していく必要がある。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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