2016 Fiscal Year Annual Research Report
独自開発麻疹ウイルスベクターを用いて樹立したナイーブ型iPS細胞の分化機構の解明
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16H06746
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廖 紀元 東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (90781857)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 麻疹ウイルスベクター |
Outline of Annual Research Achievements |
従来樹立されたヒト人工多能性幹(iPS)細胞は制限分化能・増殖能を持つprime型及びマウスES/iPS細胞が着床前期である基底状態の細胞と似たより安定で高い分化能・増殖能をもつnaive様に分類されております。しかし、ヒト多能性幹細胞においては、マウスnaive様の性質を評価するようにジャームライントラ ンスミッションよりキメラ形成能の検討が倫理的に厳しいと考えられて、最適な多能性細胞の分化能の分子レベルで評価方法を確立ことが目的として研究遂行する。 本研究室ではこれまでに、安全性に優れる自己開発・遺伝子非挿入型麻疹ウイルスベクラー (MVV)を用いたiPS細胞樹立法を開発し、その過程でMVVによりnaive様iPS細胞とprime型iPS細胞が両方誘導されることを見出した。まず、作製されたiPS細胞の多能性と自己複製能について検討したところ、免疫染色法を用いて表面マーカーであるSSEA4の発現が同じですが、一方、TRA1-60及びTRA1-81多能性表面マーカーの発現は違いことが分かりました。次に、マイクロアレイの解析より、報告されたnaive様多能性細胞で高発現分子であるDNMT3L、SOCS3、KLF5などの発現量において、naive様iPS細胞の発現量は高いことが維持しておりました。また、Taqman PCRより、上記の結果の再現性が確認できました。現在、誘導できたMV-iPS細胞は ナイーブ性質の機能評価を実施しており、私たちはnaive様iPS細胞とprime型iPS細胞はin vitroで三胚葉への分化能を持っていることが確認できました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的にて提示したnaive様iPS細胞とprimed型iPS細胞の性質の評価方法の確立について、表面マーカーの発現大きい違い点が確認できました。また、分子レベルで理解するために、マイクロアレイの結果より、DNMT3L、SOCS3、KLF5の発現特異性変化が同定できました。初年度の計画より想定していた以上の成果を得たこのため順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
naive様iPS細胞とprimed型iPS細胞の分化能を評価する新規の指標について更なる検討実験を引き継ぎ行う。次に、in vitroでnaive様iPS細胞とprimed型iPS細胞を用いて3次元分化誘導培養条件の検討と構造形成能の確認する。また、naive様iPS細胞と型マウスin vivoでの生着・機能の評価する実験を行う予定です。
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Research Products
(1 results)