2016 Fiscal Year Annual Research Report
急性骨髄性白血病の治療抵抗性に寄与する遺伝子変異の同定
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16H06753
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 晃 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40779394)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / 治療抵抗性 / BCOR |
Outline of Annual Research Achievements |
1.AML患者検体におけるBCOR変異の探索 当科ですでに保有している多数のAML患者検体からのゲノムDNAの抽出を行い、BCORの全CDS領域に対するターゲットリシークエンスの準備を進めた。またすでにBCOR変異の有無が判明している症例についてはLog-rank検定により全生存期間の解析を行い、BCOR変異を有する症例においては生存期間が短縮する傾向を認めた。 2.ヒト白血病細胞におけるBCORノックアウトの意義 ①CRISPR/Cas9システムによりBCORをノックアウトしたTHP-1(ヒト白血病細胞株)を用いてDAPI染色を用いた細胞周期解析を行ったが、BCORノックアウト株とBCOR野生型株では細胞周期に有意な差は認めなかった。②THP-1以外のヒト白血病細胞株(Kasumi-1、K562、Jurkat)を用いてBCORノックアウト株の作製を進めている。③BCORノックアウト株をNSGマウスに皮下注射した異種移植モデルを用いて、BCORノックアウトが抗癌剤感受性に与える影響を検証している。複数のBCORノックアウトクローンによる異種移植モデルの樹立を進めている。④野生型BCOR遺伝子の強制発現によりBCORノックアウト株で認めた表現型(抗がん剤感受性の低下)の回復が見られるか検証を進めている。BCOR遺伝子のクローニングを行い、野生型BCORを強制発現するレトロウイルスベクターを作成した。またBCOR変異がドミナントネガティブ型の変異である可能性を検証するために、変異型BCORを強制発現するレトロウイルスベクターの作製を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の当初の計画を順調に進めている。一部達成できていない部分もあるが、計画外の実験も並行して進めることができており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究計画で達成できていない項目については優先的に進める。平成29年度の実施計画に沿って、患者検体を用いた網羅的遺伝子発現解析(RNA-seq)を進める。RNA-seqは本研究の成否に関わる重要な項目であるため最優先事項として進めていく。
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Research Products
(3 results)