2017 Fiscal Year Annual Research Report
Dysregulation of mRNA processing in ovarian cancer
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16H06757
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷川 道洋 東京大学, 医学部附属病院, 助教(移行) (70706944)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / mRNAプロセッシング / 相同組換修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は卵巣癌の治療標的になる相同組換修復新規因子の同定と、新規因子のDNA損傷修復経路での詳細な機能解析を通して卵巣がんの発癌プロセスの解明及び新規治療の開発を目的とする。まずsiRNA libraryをベースとした網羅的スクリーニングデータから新規因子抽出とDNA損傷修復経路における機能解析を行った。本申請者は数多く同定されたスプライシンング因子に着目して機能解析を行なった。複数のスプライシング因子、特に骨髄異形性症候群や肺癌等の悪性腫瘍で変異が高頻度で認められるU2snRNPの構成因子が相同組換修復因子の転写調節を行うことにより相同組換修復経路を制御すること、SNRPA1という転写因子がlaser irradiationにより誘導されるDNA損傷部位に集積して直接的に修復経路に寄与することを示した。本申請者はさらにスプライシング等のmRNAプロセシング経路が障害された際にコード途上のmRNAがアンチセンスのDNAと結合して形成される三鎖構造であるR-loopに着目してSNRPA1はR-loop形成を阻害することによりゲノム安定性に寄与するという新規の機序を証明した。R-loopはゲノム上に構成されることにより複製ストレスを生じてDNA二本鎖切断等の原因になることが判明している。近年遺伝性乳癌卵巣癌原因遺伝子BRCA1/2がR-loopのプロセシングに関与することでゲノムの安定性に寄与するという報告が出て、乳癌及び卵巣癌の新規の発癌機序や標的治療の候補であることが示唆されている。本申請者は網羅的スクリーニングデータをさらに解析して、複数の転写因子を新規相同組換修復因子として同定してスプライシング因子と同様の機序を現在解析中である。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)