2016 Fiscal Year Annual Research Report
薬草の栽培利用を活用したまちづくりの認知症予防効果に関する実証的研究
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16H06768
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森田 彩子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30595038)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | ソーシャルキャピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、涌谷町が2012年より復興総合計画の一つとして取り組んでいる薬用作物の栽培利用の促進がソーシャルキャピタルの醸成と認知症予防に与える影響を検証することを目的としている。本年度は、ソーシャルキャピタルの醸成過程について既存質的・量的データを用いて上記の検証を行った。町と協働して栽培利用促進活動に従事している自主グループ及び支援者に対する聞き取りデータからは、都市部に比較的多く見られる橋渡し型ソーシャル・キャピタルを形成していることが示唆された。また、生薬まちづくりのイベントに積極的に参加している高齢者は、全くまたはあまり参加していない高齢者と比べて、生活機能や年齢に関わらず、地域の人々は親切であると思う割合、町の人々の交流が活発であると思う割合、楽しいお祭りやイベントがあると考える思う割合が高く、ソーシャル・キャピタルの醸成に寄与していることが示唆された。健康面については、薬用作物を用いて自身の日々の生活における健康管理意識を高めることが、支援者による各イベントの目標設定及び参加者に対する聞き取りから示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
認知機能検査及び質問紙を開発し、自治体と連携して実施するためのロジスティックが整った。質的分析についてもベースラインの分析は終了し、現在フォローアップ聞き取りの準備が進行中である。目標としている研究課題を期間内に遂行できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
地域在住の65歳以上の高齢者住民に対して、特定健診/後期高齢者健診会場にて認知機能検査を実施すると共に質問紙を配布し、薬用植物の栽培利用活動、ソーシャル・キャピタルそして認知機能の関連性について量的に分析する。また薬用植物の栽培利用活動を熱心に行っている自主グループに対して経年変化を踏まえた聞き取りを行う。
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