2016 Fiscal Year Annual Research Report
多孔性管腔構造 β-TCPと成長因子併用の効果と新規骨補填材の開発
Project/Area Number |
16H06780
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井川 貴博 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (20780290)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 骨補填材 / 成長因子 / 歯周組織再生 / インプラント |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周組織再生治療・インプラント治療において骨補填材は欠かせない材料である。近年では骨への完全な置換を期待し、細胞・細胞増殖因子等を骨補填材と併用することが多くなっており、再生に関わる因子を活かすための骨補填材への新しい視点からのアプローチが必要である。孔径300μmを有するトンネル状のβ-TCP顆粒を凝集させた骨補填材と従来の顆粒状、緻密上の異なる形状の骨補填材の比較を行った。孔径300μmを有するトンネル状のβ-TCP顆粒を凝集させた骨補填材は従来の材料に比べ骨形成及び形態保持に関して有効であるが示唆された。また、これまでエナメルマトリックスデリバティブ(EMD)による歯周炎によって喪失した歯周組織再生への有効性は多数報告されており、長期的な報告では歯周組織再生誘導法と同等の効果を示したとの報告がある。さらに近年では、このEMDを液状にすることで骨補填材に浸透しやすくなり、骨再生に特化した細胞増殖因子として期待されている。増殖因子であるEMDリキッドと骨補填材を併用することで頬側骨欠損を伴うインプラント治療への実験を行った。この結果により従来の骨誘導再生法と比べ骨形成量とインプラントとチタンの結合(Osseointegration)が増大し、従来のインプラント治療期間を縮小できることが示唆された。したがって、多孔性管腔構造骨補填材の特徴を活かし、成長因子を併用することで骨補填材の吸収速度を変化させ、理想的な骨再生が可能になると考えられる。今後は歯周組織再生治療で使用される成長因子併用MDリキッドによる付加的効果及び細胞増殖・細胞分化の発現を調べていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幾何学的構造を変化させる方法を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
歯槽骨再生において、孔径300μm構造を基盤としたβ-TCP顆粒を凝集させ、3次元的に異なる多孔性管腔構造を有するβ-TCP骨補填材による骨再生の効果を比較する。同一材料でも幾何学構造を変化させることによって組織分化・成長・吸着への影響を調べる。またインプラント治療への応用についても検討する。
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