2016 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝子編集技術を用いた子宮体癌自然発症モデルの作製と癌発症機序の解明
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16H06823
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
寺川 純平 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教 (90777731)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 子宮体癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新規遺伝子改変動物及び子宮in vivo遺伝子編集技術を利用して、悪性度の高い子宮体癌の発症要因を明らかにすることである。悪性度の高い子宮体癌の発症にはほとんどのヒト臨床検体で認められるp53遺伝子の変異に加えて、他の遺伝子変異により誘導される特定のシグナル伝達の亢進が必須であると予測している。そのため、本研究では、子宮上皮選択的にp53遺伝子に変異を有するマウスをCre-loxPシステムにより作製し、さらに子宮in vivo遺伝子編集技術を利用して、ヒト臨床検体の解析によって得られたシグナル伝達亢進を付加し、癌を自然発症するマウスモデルの確立を目指す。
本年度は、子宮上皮選択的にp53遺伝子変異を有する新規遺伝子改変マウスの作製と当該マウスの雌性生殖器の組織学的解析を行った。p53遺伝子変異は、p53蛋白質の機能欠損と機能異常をそれぞれ想定し、エクソン除去によるp53遺伝子の欠損とミスセンス変異を有するp53遺伝子の発現をCre-loxPシステムにより誘導できるようにした。性成熟後の子宮上皮に限定したCre 蛋白質の発現誘導には、ラクトトランスフェリンのプロモーター下でCreを発現するLtf-Creマウスを使用した。また、追加の遺伝子編集に必要なプラスミドベクターの構築及び子宮上皮に限定した追加の遺伝子編集を実施するためのエレクトロポレーション法の予備実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度中に予定していたマウスの作製とプラスミドベクターの構築が完了し、子宮in vivo遺伝子編集に向けたエレクトロポレーション法の予備実験を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したマウス及びプラスミドベクターを用いてエレクトロポレーション法による子宮in vivo遺伝子編集を順次実施し、シグナル伝達亢進の付加により悪性度の高い癌細胞群が出現するかどうかを解析していく。
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