2016 Fiscal Year Annual Research Report
光励起によるin situ活性種生成を利用した新規反応及び生体分子標識法の開発
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16H06824
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三代 憲司 金沢大学, 新学術創成研究機構, 助教 (60776079)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 光反応 / 生理活性物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では申請者らが独自に合成法を確立した新規骨格の生理活性物質としての利用可能性開拓、及び物性を活かした新規有機化学反応の開発、分光分析的手法による検出法の開発を行い、それらの成果を統合し、疾患の診断および治療に有用な分子プローブ開発を行うことを目的としている。初年度であった昨年度は以下の研究を行った。 まず、生理活性物質及び疾患イメージング剤としての有用性が期待できる新規化合物の合成を試み、最終目的物前駆体の合成法を確立した。今後は最終目的物の合成を達成し、その有用性の評価を行う。 また、申請者らが独自に見出した骨格を用いた新規光反応の開発を行った。化合物構造、光の種類、溶媒、温度等が反応に与える影響を精査し、効率的に目的の反応を起こす系を確立した。本成果については国内学会で発表を行っており、近日論文発表を行う予定である。本年度は本反応の開発中に見いだされた別の新規反応の検討、及びそれらを用いた生体分子の化学修飾を目指した基礎研究を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光反応については計画段階で想定していたメカニズムで反応が進行することが分かり、条件検討により効率的に目的の反応が進む条件を確立できた。成果に関しても学会発表を行っており、近日論文発表を行う予定である。 また、上記の研究中、当初想定していなかった新たな反応を発見した。本反応に関しても当初の目的である生体分子の化学修飾に有用であると期待できるため、今後より詳細な検討を行っていく。 生理活性物質に関する研究は合成は概ね予定通り進んでおり、本年度はその生理活性、動態の評価を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
計画は当初の想定通り順調に進んでいるため、当初の予定通り研究を進めていく。 生理活性物質、イメージングプローブの開発に関しては目的物質の合成を達成し、その評価を行う。また、結果を受け構造を変更する必要がある場合はその構造変換を行い、合成した化合物の物性、生理活性評価を行う。 光反応に関しては当初計画していた反応が効率よく進行する構造、条件を概ね確立できたので、成果に関して論文発表を行う。本成果を生体分子の化学修飾に応用すべく、生体分子を用いる反応に適した条件で本反応を行うべく、化合物構造及び反応条件の最適化を行う。また、当初想定していなかった新規反応に関しても、生体分子の化学修飾に有用であると期待できるため、その詳細な検討及び応用を試みる。
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