2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Understanding of Literal Expressions of Students in Junior High School Mathematics
Project/Area Number |
16H06834
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
清水 宏幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80562446)
|
Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
|
Keywords | 文字式 / 方程式 / 物としての文字の理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,生徒の方程式を立式する場面で用いる文字式の理解に関する困難性を顕在化させ,その困難性を克服するための学習指導を提案することにある.本研究では,全国学力・学習状況調査において出題された問題の中で,特に正答率の低かった過不足の問題に焦点を当て研究を進めた. 過不足の問題とは次の通りである.「折り紙を何人かの生徒に配るのに,1人に3枚ずつ配ると20枚余ります.また,1人に5枚ずつ配ると2枚たりません.生徒の人数を求めるために,生徒の人数をx人として,方程式をつくりなさい.」この全国の正答率が60.5%である.ここに生徒の文字式に対するつまずきが潜んでいると考えた. この研究は,平成26年から継続して行ってきており,平成27年に行った質問紙調査とインタビュー調査をまとめ,その成果を平成29年11月4日に愛知教育大学で行われた日本数学教育学会秋期大会で論文発表を行った.この論文では,過不足の問題において方程式を立式できない生徒に絞り,その解答の様子から選出した15名にインタビュー調査を行い,その中の3名の文字式の理解の様相をまとめた.そこでは①問題文の言葉を置き換えている物としての文字,②数値の意味をもとに数値を置き換えている物としての文字,③物そのものを置き換えている文字の3つの様相が顕在化した.従来,学校数学において指導されている文字は,変数としての文字,一般を表す文字,未知数としての文字の3つであるが,生徒の誤答として,物として文字を捉えている様相が浮かび上がった.この調査からさらに物として文字を理解している生徒が,立式ができている生徒の中にも存在することが明らかとなり,平成29年11月から2月にかけて,山梨県の公立中学校2校で質問紙調査とインタビュー調査を実施し,立式ができている生徒にも調査対象を広げた.現在分析を終え,日本数学教育学会誌に投稿を予定している.
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|