2016 Fiscal Year Annual Research Report
権威主義体制下の福祉縮減と政治指導者の戦略―中東・北アフリカ諸国を事例として
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16H06882
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河村 有介 京都大学, 法学研究科, 特定助教 (00784125)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 権威主義体制 / 社会保障 / 福祉縮減 / 社会基金 / 慈善事業 / 中東・北アフリカ地域 / エジプト |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実施状況は、以下の通りである。 第一に、本研究が対象としている二つの事業―①イスラーム組織による慈善事業(イスラーム慈善事業)、②世界銀行や先進国政府の資金援助による貧困層に対する政策金融事業(社会基金事業)―の実態を把握するため、これらの事例に関する先行研究の知見を整理した。本年度は、研究の手始めとして、主として英語で刊行されている二次文献を利用して、ムバーラク政権下での各事業の実態把握に努めた。さらに、「アラブの春」以降の政治変動がこれらの事業にどのような影響を及ぼしたのかについて分析するため、現地で刊行されている新聞(オンライン版)を利用し、ムバーラク政権崩壊後の各事業の展開を整理した。 第二に、研究対象とする各事業についての理解を深めるため、世界各国(とりわけ、権威主義国家)における類似事例について調査を行なった。本年度は、研究計画調書に記載した分析対象国であるチュニジアやトルコのみにとどまらず、中東・北アフリカ地域やラテンアメリカ地域に存在する類似事例に関する知見を整理した。そのために主として英語で刊行されている二次文献を利用した。イスラーム慈善事業については、中東・北アフリカ諸国で広く見られる存在であり、これらの分析により、イスラーム慈善事業の特徴が浮かび上がった。また、社会基金事業については、中東・北アフリカ諸国だけではなく、ラテンアメリカ諸国における実態を分析した。このような分析を通じて、何がエジプト特有の事象であって、何が権威主義体制全般に当てはまる事象なのかを明らかにした。 なお、本年度の研究成果については、次年度以降に国際学会で報告する予定である。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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