2016 Fiscal Year Annual Research Report
ツシマヤマネコ保全に向けた食物連鎖の解明及び腸内細菌叢と個体特性との関連解析
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16H06892
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 英之 京都大学, 野生動物研究センター, 特任研究員 (10779648)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | ツシマヤマネコ / 腸内細菌叢 / 食性解析 / メタゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
ツシマヤマネコは絶滅危惧種であり、国や多くの機関が保護増殖事業に取り組んでいるが、保全のためには生態学や栄養学など様々な知見が必要である。近年、希少種の保全に分子遺伝技術(次世代シークエンス)が応用されるようになってきており、申請者らもグレビーシマウマなどの保全に有用なマイクロサテライトマーカーの開発を行ってきた。本課題ではツシマヤマネコの保全に資する目的で、次世代シークエンスを用いて,食性と腸内細菌叢の解明を目的として実施した。 本年度は,ツシマヤマネコ保全事業を実施する環境省と公益社団法人日本動物園水族館協会平成28年度はツシマヤマネコの保全に取り組む各関係機関から,研究内容について協議を行い,研究の有用性・必要性について了解を得た。 ツシマヤマネコ飼育機関・保護施設から40検体,近縁種のベンガルヤマネコ4検体の提供を受け,DNA抽出を行った。また,京都市動物園提供3検体については検体保存状況及びDNA抽出条件の検討を行った。 また,中部地方の動物園を対象にDNA細胞データベース構築を目的に研修会を開催し,動物園における分子遺伝学的技術の応用を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
環境省,公益社団法人日本動物園水族館協会が共同で種の保存に取り組んでいる種であり,検体採取・提供までに想定より時間を要したが,許可後は各機関より速やかな協力が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
飼育個体についてはほぼ全個体検体を収集できたが,野生個体については2検体のみである。過去に採取された検体について,提供を依頼し検体数を増加させる。収集した検体については当初の計画通り,細菌叢及び食性解析を実施する。また,過去の野生由来の検体について,収集が可能であれば,季節・採取地域の食性の比較を実施したい。
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Research Products
(2 results)