2016 Fiscal Year Annual Research Report
The attempt to detect macrophage subsets specific for atherosclerotic plaque development and regression.
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16H06901
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西 仁勇 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (70583194)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
血中低比重リポタンパク(LDL)コレステロール値の上昇により、動脈硬化に強い抵抗性を持つマウスにおいても粥状硬化性プラークを形成させることができる。LDL受容体は全体の約7割が肝臓に存在し、血中LDLコレステロールの代謝にも強く関与している。PCSK9はLDL受容体の分解を促進する作用を持つため、その機能を亢進させることにより血中LDL値上昇を引き起こし、その結果、マウスにおいてもプラークが形成されるが、PCSK9機能亢進中にLDL値を正常化させた際にプラーク退縮が起こるか否かは不明であった。今回、アデノ関連ウイルスベクターを用い、機能獲得変異型PCSK9を野生型マウスの主に肝臓に発現させ、高血中コレステロール状態の導入、16週間のウエスタン食餌中の安定した血中コレステロールレベルの維持、動脈硬化性プラークの形成を我々のマウス実験系においても確認した。その後、薬物投与による血中コレステロール値正常化およびプラークの退縮を確認した。 本研究は高血中コレステロール下での動脈硬化性プラーク進展および正常化後のプラーク退縮をマウスモデルにて再現する必要がある。そのことは、遺伝子改変マウスを含む複数の種類のマウスそれぞれに動脈硬化性プラークを形成させる必要があることを意味するが、従来の方法によるその実施には迅速性、簡便性の面で難がある。そのため本研究の遂行にはこれらの問題点の克服が重要であると考えられたが、具体的には、1)マウスに高血中コレステロール状態を導入し、長期間安定的に維持後、正常化させること、2)血中コレステロール値上昇およびその後の正常化に合わせたプラーク進展および退縮化、を容易に実現させるモデルを確立することであった。それを確立した本年度の成果は今後の実験の遂行を容易にするものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定通りマウスを用いた動脈硬化性プラーク進展・退縮モデルの実験系は確立できた。一方、レポーターマウスの交配において、妊孕性が低いためか、目的とする遺伝子型をもつマウスを十分数得ることに予想外に時間を要したが、ほぼ用意を整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
レポーターマウスの用意に時間を要したため、当初の計画通り高コレステロールによるプラーク形成モデルにて実験を進める一方で、より短期間でプラーク形成が可能となるワイヤーによる血管傷害モデルおよび/または頸動脈結紮モデルにてプラーク進展の機序を検討する。
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Research Products
(1 results)