2016 Fiscal Year Annual Research Report
臓器特異的な甲状腺ホルモン脱ヨード酵素の発現調節因子の探索と機序の解明
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16H06902
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂根 依利子 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (70781342)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 甲状腺ホルモン脱ヨード酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脱ヨード酵素(DIO)1型に加え2型、3型に関しても広く臓器特異的な脱ヨード酵素の調節機序を解明し、それに基づいた薬剤開発の基盤構築を行ことを目標としている。平成28年度には、臓器特異的にDIOの発現・調節を行うプロモーター領域の解析を目指した。 現時点までに、in vitroの実験系として、ヒト肝細胞株(HepG2)、ヒト子宮頸癌細胞株(HeLa)、ヒト腎細胞株(TSA201)、ヒト乳腺癌細胞株(MCF7)、ヒト甲状腺未分化癌細胞株(HTC/C3)、ヒト大動脈内皮細胞株(HAEC)の細胞培養系の確立を行った。そして、各細胞株における各脱ヨード酵素の発現量を調べた。HepG2はDIO1優位、HeLaはDIO2優位、TSA201はDIO3優位、MCF7、HTC/C3、及びHAECはDIO1-DIO3に発現していた。また、プロモーター領域の解析の準備のため、プロモーターアッセイ用に既存のDIO1コンストラクトに加え、DIO2のコンストラクト(-6860、-1792、-722、-601、-322、-134、-83)を作成し、これらコンストラクトを用いて、まずはT4によるT3非依存的なDIO調節の解析を行った。DIO1のモデルとしてHepG2、DIO2のモデルとしてHeLa、DIO3のモデルとしてTSA201を用いた。 結果として、T4によりDIO1 mRNA、及びDIO1 レポーター活性とも変化することが分かり、現在解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点までに、ヒト肝細胞株(HepG2)、ヒト子宮頸癌細胞株(HeLa)、ヒト腎細胞株(TSA201)、ヒト乳腺癌細胞株(MCF7)、ヒト甲状腺未分化癌細胞株(HTC/C3)、ヒト大動脈内皮細胞株(HAEC)の細胞培養系の確立を行い、各細胞株における各脱ヨード酵素の発現量を確認することができた。また、プロモーターアッセイに用いるDIO2のコンストラクトも作成し、実際にこれらコンストラクトを用いて、T4によりDIO1 mRNA、及びDIO1 レポーター活性とも変化を確認し、おおむね研究計画通りに進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、DIO3コンストラクトを作成しており、今後、DIO1、DIO2、DIO3の分泌型レポーターベクターを作成し、ルシフェラーゼアッセイをベースとしたハイスループットスクリーニングを行う準備を行っている。また、化合物ライブラリーに関してもどの化合物ライブラリーを使用するかも検討中である。
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