• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2016 Fiscal Year Annual Research Report

難治性卵巣明細胞癌のTOP2A遺伝子増幅例に対する新規治療薬の探索

Research Project

Project/Area Number 16H06907
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

村上 隆介  京都大学, 医学研究科, 助教 (40782363)

Project Period (FY) 2016-08-26 – 2018-03-31
Keywords卵巣明細胞癌 / 染色体17番長腕 / プラチナ抵抗性
Outline of Annual Research Achievements

【研究背景】
卵巣明細胞癌(OCCC)は多くは初期で発見されるが、いったん再発すると難治性の疾患である。当科の39症例のOCCCの腫瘍組織を用いた全エクソームシークエンス解析で再発に関連するコピー数解析で染色体17番長腕21-24領域の増幅が再発に寄与していることがわかった。この領域で統計的にTOP2A増幅が特にOCCCの再発に寄与する可能性が示唆されており、卵巣癌細胞株を用いたTOP2A増幅と薬剤感受性試験の解析の結果からプラチナ抵抗性に関連していた。
【本年度研究実績の概要】
まずTOP2A増幅細胞株でTOP2Aを抑制するとプラチナ感受性に形質が変わるかを検証した。TOP2A増幅OCCC細胞株にshRNAによりTOP2Aを抑制した細胞株の実験系を用いて、シスプラチンを添加した薬剤感受性試験(IC50)を行ったが、TOP2Aを抑制するとプラチナ抵抗性が増すという仮説と逆の結果となった。したがって当初の計画を変更し、TOP2A以外の標的分子を探索した。17q21-24に存在する複数の遺伝子のうち、臨床サンプルと細胞株において増幅と発現が正の相関にある59遺伝子に絞り、これまでに我々は卵巣明細胞腺癌の特徴として嫌気性代謝が亢進していることを見出している背景から嫌気性代謝に関与するPDK2遺伝子に注目した。最も遺伝子増幅を認める卵巣明細胞腺癌細胞株においてPDK2遺伝子の発現を抑制するとCDDPの感受性が亢進し、またPDK阻害剤として知られているDichloroacetate(DCA)を併用することでCDDPの感受性を改善することを明らかにした。さらにPDK2を抑制することでstemness markerやsphere formationが変化する結果を予備実験で得ており癌幹細胞性と代謝の側面からPDK2を標的とした実験を次年度に行うことを計画している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

TOP2Aを標的とした実験は標的分子を抑制することでプラチナ感受性が増強するという仮説とは逆の結果になったため、複数のマーカーを検討した。
その中で嫌気性代謝に関連するPDK2に着目して、実験を進めている。

Strategy for Future Research Activity

①【PDK2のcancer stemnessへの関与の解明】
PDKsが他癌種でstemnessに関与するという報告があるが卵巣癌では報告されていない。PDK2を抑制することでstemness markerやsphere formationが変化する結果を予備実験でえている。
検討内容としてPDK2抑制細胞株でのside population(SP)の解析、ALDEFLUOR 、sphere formation assayに加え、in vivoでのtumorigenicityの変化をみる。
②【TP53機能回復とPDK2阻害の関連性の解明】
一般に卵巣明細胞腺癌は他の種類の卵巣癌種と比較しTP53 mutationは稀である。しかし、whole exome sequencingの結果から卵巣明細胞腺癌では17番染色体短腕(17p)が欠失していることを我々は見出している。卵巣癌ではMDM2,PPM1DなどTP53機能抑制に働く遺伝子の発現上昇があることが報告されている。またTP53はPDK2の発現を負に制御していることが報告されている。よって17p欠失(変異とは異なるメカニズムによるTP53機能抑制)と17q増幅の相乗効果によってCDDP耐性が惹起されている可能性を検証する。実際にはMDM2阻害剤を用いてPDK2発現が低下し、またCDDP感受性が亢進する予備実験結果を得ている。 実験計画としてPDK2抑制細胞株のRNAシークエンス解析、メタボローム解析を行う。さらに卵巣明細胞腺癌におけるTP53,PDK2,代謝をつなぐメカニズムを17番染色体の増幅欠損を導入した細胞株でin vitro, in vivoレベルで解明する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] The investigation for overcoming platinum resistance of Ovarian Clear Cell Carcinoma with chromosome 17q amplification2016

    • Author(s)
      Sachiko Kitamura, Ken Yamaguchi, Ryusuke Murakami, Kaoru Abiko, Junzo Hamanishi, Tsukasa Baba, Noriomi Matsumura
    • Organizer
      がんプロ 5大学連携 香港合同教育セミンター
    • Place of Presentation
      プリンスオブウェールズ病院, Chinese University Hong Kong
    • Year and Date
      2016-10-28 – 2016-10-29
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-01-16  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi