2016 Fiscal Year Annual Research Report
The development of novel treatment of age-related macular degeneration using high-density lipoprotein
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16H06909
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
須田 謙史 京都大学, 医学研究科, 医員 (70779157)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2017-03-31
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Keywords | 点眼ドラッグデリバリーシステム / 高比重リポタンパク / 加齢黄斑変性 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、高比重リポタンパク(HDL)を用いたドラッグデリバリーシステムの開発に取り組んできた。高比重リポタンパクは脂質とアポリポタンパク質a-Iからなる複合体であり、動脈硬化などの非感染性疾患の病態機序と考えられている脂質代謝異常や酸化ストレス、慢性炎症に対して抑制効果を持つことが近年注目されている。申請者は人工の高比重リポタンパク(再構成HDL)に修飾を施した上で薬剤を内包し、疾患部位特異的に送達することで、より低侵襲で効率の高い治療の実現を目指している。本研究では眼科分野での非感染性疾患の一つである加齢黄斑変性に対する点眼治療の開発を目的とした。まず点眼による後眼部への薬剤送達に最適化した再構成HDL変異体に、内包可能な薬剤を探索した。今回内包を試した中で最も効率的に内包できたのは塩酸パゾパニブであった。薬剤内包を行った後、野生型の再構成HDLと同様に円盤状の構造が保たれていることを透過型電子顕微鏡および原子力間顕微鏡にて確認した。次に、塩酸パゾパニブを内包した再構成HDL変異体を加齢黄斑変性の動物モデルであるレーザー誘発脈絡膜新生血管モデルマウスに1週間1日2回点眼した後、脈絡膜新生血管の面積を定量することで点眼治療の効果を評価した。その結果、塩酸パゾパニブを内包した再構成HDL変異体の点眼群はコントロール群と比較して有意に脈絡膜新生血管を退縮させることがわかった。最後に、塩酸パゾパニブを内包した再構成HDL変異体の安全性を確認するため、ヒト角膜培養細胞を用いて安全性試験を行ったところ、薬剤内包体の角膜毒性は認めなかった。以上の内容を第55回日本網膜硝子体学会総会および第121回日本眼科学会総会にて発表し、現在論文投稿中である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)