2016 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the behavior of overloded queueing systems
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16H06914
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 文彰 大阪大学, 工学研究科, 助教 (40779914)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 待ち行列理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
標準的な待ち行列モデルでは,システムが空である時間割合は 1 からトラヒック強度 (サービス要求の到着率と平均サービス時間の積) を減じた量と一致する.このようなモデルを,繁忙期の飲食店やピーク時間帯の通信システムのように空である時間割合が非常に小さいシステムに対して当てはめた場合,トラヒック強度が 1 に近いという結論が得られることになる.しかし,トラヒック強度が 1 に近いとき,待ち行列モデルから導かれる平均待ち時間や平均待ち人数は非現実的なほどに大きな値となり,これは必ずしも現実を反映しているとは言えない.本研究の目的は,システムが空である時間割合が小さい状況を表現する待ち行列モデルとして,トラヒック強度が大きくなるにつれてシステムへの到着が抑制される機構を有する待ち行列モデルを考え,その解析方法を確立することである. 平成28年度は,客の待ち時間に制約のある待ち行列モデルにおける客のロス確率ならびに系内客数分布の数値計算法に関する研究を行った.客の待ち時間に制約のあるモデルに関する研究は古くから存在するが,その性能指標を具体的に計算する方法については,ごく特殊な確率分布を仮定した場合を除いてこれまで報告されてこなかった.本研究では,一般のサービス時間分布ならびに相型分布に従う待ち時間制約を仮定した下で,一様化と呼ばれる手法を応用することにより,計算結果の精度保証を行なうことが可能な数値計算アルゴリズムを導出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
系内客数分布の数値計算法における切断誤差評価の検討に想定よりも時間を要したが,全体としてはおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,計画に沿って研究を進めていく.次年度は,待ち時間制約のある待ち行列モデルに加え,一般の過負荷な待ち行列について成り立つ命題についても考察を行なう.
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