2016 Fiscal Year Annual Research Report
グラフにおけるパスの発見容易性に対する禁止構造による特徴付け
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16H06931
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 勇太郎 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (30780895)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | アルゴリズム / グラフ / 離散数学 / 組合せ最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
・当初の計画にあった通り,Aパス詰め込みにおける triple exchange property の有用性を精査したところ,この性質のみをもって効率的な解法を設計することは難しいということが判明した.一方で,非零Aパス詰め込みと triple exchange の中間的な組合せ的性質の候補を抽出することができた.さらに,その性質により,これまでに知られていた,あるいは,考え得る様々な状況設定間の関係を整理することができ,ちょうどよい落としどころになっていることが期待されている. ・解の整数性条件を緩和することで,整数版の場合より遥かに高速な解法を設計できることが判明し,緩和問題の性質やその解法を足掛かりにした元問題へのアプローチを期待している. ・グラフにおける詰め込み問題の原点である「2部グラフにおけるマッチング」に関する,グラフの構造定理に関する研究を行い,論文を投稿した.パスの詰め込みと現在のところ直接的なつながりは明らかになっていないが,思わぬところにマトロイド的性質を見出すことができるなど,具体的な問題設定から組合せ的構造を抽出するという点において,今後関連した内容に発展することが期待される. ・査読付き国際会議1件,査読なし国際会議2件,国内学会・研究会等3件と,これまでに得られている成果を精力的に発表することで,国内外の様々な研究者と議論・意見交換をし,多数の有用なフィードバックを得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一目標である,triple exchange property の有用性をある程度結論付けることができ,代替案も得られているという現状であるで,研究はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究により抽出された,triple exchange property と非零Aパス詰め込みの中間的な性質に基づいて問題の性質・解法を解析していく.また,元の詰め込み問題を緩和することで扱いやすくなることが判明したため,緩和を通じたより高速な解法を設計することも目標とする.
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