2016 Fiscal Year Annual Research Report
bHLH転写因子ネットワークによる恒常的オートファジー活性化機構の解明
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16H06938
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 修平 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00510611)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | オートファジー / 老化 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は以前の線虫を用いた解析により、寿命延長に必須な恒常的オートファジーを制御する新規のbHLH転写因子複合体MML-1/MXL-2を同定した。MML-1/MXL-2はオートファジー、リソソーム生合成のマスター因子であるHLH-30と相互に活性を促進しつつ協調的にオートファジー関連因子の発現制御を行っていることが明らかとなった(Nakamura et al., Nat. Commun., 2016)。本研究ではこれら線虫で得られた知見が哺乳類において保存されているかを哺乳類培養細胞を用いた分子生物学的、細胞生物学的、生化学的な手法により明らかにし、哺乳類での健康寿命促進のための分子基盤の理解へ貢献することを目指す。本年度は線虫で同定した新規寿命制御因子MML-1とHLH-30のそれぞれのホモログであるMondoおよびTFEBの哺乳類での機能解析に着手した。まずMondoの各種培養細胞における発現、ノックダウンの系を確立し、オートファジー活性への影響を解析した。さらにRPE1細胞やTIG3細胞を用いた早期老化誘導実験系を新規に導入し、細胞老化過程でのSASP(Senescence-associated secretory phenotype=細胞老化に関連した分泌現象)分泌におけるMondoの機能も同時に調べている。またこの細胞老化過程において線虫同様にMondoの発現変化、オートファジー活性変化を確認しており、現在両者の間の因果関係を詳細に解析中である。さらにTFEBのMondoによる制御を調べる過程でオートファジー因子による新規のTFEB調節機構の存在も明らかとなりこの解析も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
哺乳類培養細胞を用いてMondoノックダウン、過剰発現時のオートファジー活性の評価を行なった。また細胞老化のコンテクストでも実験を開始している。さらにTFEBの活性調節機構に新規のメカニズムがあることも見出しており概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は特に細胞老化におけるMondoの機能解析を中心に進める。特にオートファジー活性調節および細胞老化においてどの様な役割を果たすかにフォーカスする。このために各種条件下における継時的なオートファジーフラックスの測定やSASPの測定を行い評価する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] LIN-28 balances longevity and germline stem cell number in Caenorhabditis elegans through let-7/AKT/DAF-16 axis.2017
Author(s)
Wang, D., Hou, L., Nakamura, S., Su, M., Li, F., Chen, W., Yan, Y., Green, CD., Chen, D., Zhang, H., Antebi, A. and Han JJ.
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Journal Title
Aging Cell.
Volume: 16
Pages: 113-124
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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