2016 Fiscal Year Annual Research Report
PDGFRα陽性間葉系細胞による表皮水疱症治療メカニズムの解明
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16H06951
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新保 敬史 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (70780609)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 皮膚科学 / 遺伝病 / 遺伝子発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
VII型コラーゲンなどの皮膚基底膜接着関連遺伝子の異常により発症する表皮水疱症に対し、骨髄間葉系細胞を用いた画期的な治療法を確立すべく基礎研究を行った。平成28年度は、皮膚に集まる骨髄由来細胞を単一細胞レベルで網羅的に解析するための実験系のセットアップを行った。単一細胞遺伝子発現解析のためにDrop-seq法を検討したところ、細胞株に対しては精度良く実験を行えるが皮膚片から得た細胞を精度よく解析することが難しいことがわかった。当初の申請書にも記載しているが、Drop-seq法は新技術であり、導入困難であることも予想できていたため、市販の単一細胞遺伝子発現解析機器を用いた実験法に切り替え条件検討を行った。単一細胞遺伝子発現解析では、複数の細胞を単一細胞として解析してしまうことは、正確な解析の妨げとなるために極力避けるよう実験条件を最適化する必要がある。現在までにDoublet率を1割以下にとどめた上で単一細胞解析を行う条件を確立している。また当初の検討では、ダメージに弱い細胞を失うことなく解析することが困難であったが、新たな手法を開発することでこれも解決できた。平成29年度は計画にあるように本法を移植皮膚片に適応する予定である。 また単一遺伝子発現解析の分野は、比較的新しく日々新たな知見が世界中から報告されている。平成28年度は単一遺伝子発現解析に必要なアルゴリズムに関して文献調査と公的データを用いた試用を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
単一細胞遺伝子発現解析法の実験セットアップに時間がかかった。当初既報告であるDrop-seq法を試みたが、必要な精度を得ることが出来ず適用することを断念した。しかし、現在までに代替法の条件検討を終えており、良好な結果を得ている。平成29年度には遅れを取り戻すことが十分に可能と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の検討により、再現良く精度の高い単一遺伝子発現解析を行う条件が整った。また得られたデータを解析するための方法論に関しても最新の知見を取り込むことが出来た。平成29年度は平成28年度に確立したこれらの実験条件をもとに、移植皮膚片内に存在する骨髄間葉系幹細胞を単一細胞レベルで網羅的に解析していく。
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