2016 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluate the function of SEMA4A in ECRS pathogenesis via cross-talk among neural network and immunoreaction
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16H06958
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
津田 武 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00778631)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | SEMA4A / 好酸球性副鼻腔炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
副鼻腔疾患患者において血清SEMA4A濃度を引き続き測定することによって、好酸球性副鼻腔炎患者においては他副鼻腔疾患患者と比較してより高い数値が検出される結果をえた。好酸球性副鼻腔炎患者における血清SEMA4A濃度はポリープスコアや血中の好酸球数、好酸球(%)との相関は認められなかった。また好酸球においてIL-5刺激が引き起こす細胞内シグナルの変動についてSEMA4Aが与える影響を評価するため野生型マウスとSEMA4Aノックアウトマウスより採取した骨髄由来好酸球に対するIL-5刺激実験を行った。以前の実験では刺激に用いたIL-5の濃度依存的にSTAT5のリン酸化の増強が野生型では認められており、SEMA4Aノックアウトマウスにおいては同反応の減弱化を認めていた。今回IL-5の濃度を固定し刺激時間に変化をつけ両系統の比較を行ったところ、野生型マウスと比較してSEMA4Aノックアウトマウスにおいては刺激15分の時点で特にSTAT5のリン酸化が減弱するという結果が得られた。骨髄由来好酸球を用いたその他の実験としてO-フェニレンジアミンを用いた脱顆粒アッセイについて両系統間の差を評価した。その結果、野生型・SEMA4Aノックアウトマウスいずれから誘導した骨髄由来好酸球においてもLPS刺激によって脱顆粒は誘導されたが、両系統間に差は認められなかった。またSEMA4Aの好酸球遊走能への影響を評価するため、両系統マウスに対してキチンをマウス腹腔内に注射し腹水を回収した後、腹水中細胞をフローサイトメトリー法を用いて評価する系で好酸球の郵送能について評価を行ったが差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初患者血液および組織より好酸球を単離しmRNAを作成し、PCRによる遺伝子発現レベルの評価を行う予定であった。しかし好酸球内に多量に含まれるRnaseの影響およびもともと含有のmRNA量が少ないという理由から必要量のmRNAを確保する手法の確立に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
好酸球から安定したmRNAの確保を行う手法について上記のとおり確立したため、今後患者検体を用いて組織および血液中好酸球よりmRNAを確保しSEMA4Aの発現について比較を行う。また計画書に記載した好酸球におけるSEMA4Aの受容体に関して蛋白レベルでの発現を評価し、SEMA4A自体が好酸球に与える作用について今後検討していく。また好酸球に対して与える作用が明確に確認できなければ周囲細胞において候補となる受容体を発現している上皮細胞についての作用を検討していく。
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