2016 Fiscal Year Annual Research Report
ナノDDSを用いた抗炎症分子標的薬による歯周炎症の制御
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16H06994
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
井手口 英隆 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80779421)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | HMGB1 / ナノDDS / 分子イメージング / 歯周病治療薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究成果は以下の通りである。まずはAbeらの論文を改変した方法(J Imunol Methods, 2013)に従い,歯周炎モデルマウスを作成した。具体的には野生型マウスを用いて,6-0絹糸をマウスの第一大臼歯部に結紮し,3日毎に注射針を用いて,絹糸に歯周病原菌の菌液を染みこませた。モデルマウスの作成から2週間後に,蛍光標識内包K1糖鎖リポソームを尾静脈から投与し,分子イメージングによって蛍光標識を検出することでリポソームの炎症指向性の確認と経時的な薬物動態を把握した。 その結果,蛍光標識内包K1糖鎖リポソームは歯周炎罹患部位に特異的に集積することが明らかとなった。 その後,住商ファーマインターナショナル株式会社(SPI)に所属する研究者の協力を受け,抗HMGB1抗体内包K1糖鎖結合リポソームを作成した。作成した抗HMGB1抗体内包K1糖鎖結合リポソームを歯周炎モデルマウスの尾静脈から投与し,一方で,炎症反応を分子イメージングするためのK1糖鎖とは異なる標的分子として,貪食細胞のミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性によって発光するXenoLight Rediject Inflammation Probe を腹腔投与し,分子イメージングによって発光を検出することで,歯周組織の炎症反応を経時的に検証した。 その結果,抗HMGB1抗体内包K1糖鎖結合リポソームは同濃度の抗HMGB1抗体を単体投与した場合と比較して,より強力に歯周組織の炎症を抑制することが明らかとなった。 今後は,抗HMGB1抗体内包K1糖鎖結合リポソームが全身状態に及ぼす影響を検討することで,ナノDDSを応用する優位性を証明していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該年度では,来年度に行う予定であった抗HMGB1抗体内包K1糖鎖結合リポソームの作製と,その効果の抗炎症効果の検討を行うことができた。そして,仮定通りの良好な研究結果を得ることができた。よって,本研究は当初の計画以上に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は申請した研究計画の通り,抗HMGB1抗体にナノDDSを応用することで,全身臓器への影響を緩和することが可能かどうかを検討していく予定である。よって,研究計画の変更や研究を遂行する上での問題点はない。
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