2016 Fiscal Year Annual Research Report
成長期における咀嚼性刺激の変化が咀嚼筋及び下顎骨の性状に及ぼす影響
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16H07016
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
七條 なつ子 徳島大学, 病院, 医員 (60779940)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 歯学 / 食育 / 成長 / 顎顔面骨格 / オーラル・フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
3週齢のWistar系雄性ラットを使用し、通常の固形飼料にて飼育した硬食群と粉末状の軟性飼料を与えて飼育した軟食群、5週目に軟食から硬食に変更するearly catch-up群で体重の変化をみると、硬食群と軟食群では、5週齢頃より若干の差が認められたが、ほぼ同様の増加を示し、12週齢時には差が再度縮まり、ほぼ同じ値となっていた。early catch-up群では、食事を切り替えるまでは軟食群と同様の体重増加を、食事を切り替えた翌週の6週目から硬食群の体重グラフに重なり、12週齢目では3群ともほぼ同じ値となった。 また、硬食群と軟食群の下顎骨形態計測の結果では、軟性飼料群において有意に下顎枝高は小さく、下顎角は開大していた。 顎関節の組織学的検討結果では、硬食群の下顎頭軟骨組織では、各軟骨層の区分が明瞭で成熟軟骨層における細胞が密に存在するのに対して、軟食群では、成熟軟骨層と肥大軟骨層の境界が不明瞭であり、成熟軟骨層における細胞数が減少していることが確認できた。また、硬食群の下顎頭中央部の全軟骨層の厚径を硬食群と比較した結果、軟食群の厚径は有意に小さい値を示した(p<0.01)。免疫染色像上で、下顎頭軟骨中央部の増殖軟骨層と成熟軟骨層における400 µm×140 µmあたりのIGF-1受容体陽性細胞数を計測した結果、軟食群のIGF-1受容体陽性細胞数は硬食群と比較して有意に少ない値を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
切片の作成がうまくいかず、飼育した個体数の結果を得られなかった。また、切片の作成に手間取ってしまい、他の項目の解析が滞ってしまった。飼育に約3か月以上かかることは把握していたが、4群に分けた研究は初めてだったため、4群で研究するために必要な研究時間が予想を超えて必要だった。体調を崩してしまったこともあり、思うように研究を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ラットの飼育を継続して行い、個体数を増やしていく。また昨年度は軟食群と硬食群の2群を中心に飼育・解析を行っていたので、今年度はcatch-up群を中心に研究し、4群間での変化を検索・比較する。昨年度うまくいかなかった切片の作成に関しては、室温の変化等に注意して行っていく。
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Research Products
(3 results)