2016 Fiscal Year Annual Research Report
HIF-1α遺伝子欠損マウスを用いた変形性顎関節症発症メカニズム解明
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16H07019
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森 浩喜 徳島大学, 病院, 医員 (90779985)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 顎関節 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症(Osteoarthritis: OA)は、顎関節を含む全身の骨の関節軟骨の破壊や骨の変形を特徴とするが、その病態形成機構については不明な点が多い。本研究ではOA病態を経時的に自然発症することが知られている、低酸素応答遺伝子HIF-1α ヘテロノックアウトマウスの軟骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞などの骨系統細胞の機能について詳細に解析し、その中でもOA病態に重要な役割を果たす軟骨細胞に焦点をあて、細胞遊走能に重要な役割を果たす脂質メディエーターのひとつであるS1PおよびそのレセプターS1PRによるS1P/S1PRシグナルと、細胞の個性に応じて機能するTGF-βシグナリングの主要な下流シグナルのひとつである転写因子Smad3シグナル間のシグナルクロストークの解明による軟骨細胞の遊走能調節機構、アポトーシスや活性化・維持機構を明らかにした上で、顎関節を含む関節病変への影響を詳細に検索し、新たなOA診断・治療法の開発を図ることを目的としている。HIF-1α ヘテロノックアウトマウス、対照マウスの骨髄より破骨細胞前駆細胞を分離し破骨細胞分化誘導を行い、分化マーカーであるNFATc1、c-Fos、c-Src、Cathepsin K、Integrin β3の発現をリアルタイムPCR法およびウエスタンブロット法を用い解析し、Pit formation assayやアクチンリング形成能などの破骨細胞機能の解析を行っている。今後さらに、ヘテロノックアウトマウス、対照群マウスより抽出した破骨前駆細胞により遊走能に重点を置いて検索していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プライマーの劣化により、ジェノタイピングに不備が見つかったために、HKOマウスであるかの有無を再確認するために時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究の具体的な目的としては、平成27年度の研究結果から得られた結果をもとに、HIF-1α HKOマウスにおける脂質メディエーターS1P/S1PRを介した軟骨細胞・破骨細胞前駆細胞の細胞遊走能に関する解析を行っていく予定である。次いで、OAの病態とSmad3/S1Pとの関係を直接知るために膝関節・顎関節の病理組織学的検索に加え、軟骨細胞、マクロファージ、破骨細胞の培養上清、さらにHIF-1α HKOマウスの関節滑液における細胞性免疫やOA患者に検出されるII型コラーゲン(CII)抗体価を含む液性免疫、細胞遊走能に重要なケモカイン(MCP-1、MIP-1α、CCR4)についての定量を、プレートリーダーを用いて行う。
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