2016 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺における低出力パルス超音波照射の抗炎症作用に関する検討
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16H07020
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐藤 南 徳島大学, 病院, 医員 (30779971)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 低出力パルス超音波 / 唾液腺 / シェーグレン症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
シェーグレン症候群は、外分泌腺からの分泌障害によって引き起こされる乾燥症状を主症状とする原因不明の難治性自己免疫疾患の一種であり、口腔症状としては、自己免疫現象による自らの唾液腺破壊から、唾液腺の炎症とそれに伴う唾液分泌量低下を引き起こす。一方、低出力パルス超音波 (LIPUS) とは極めて弱い出力のパルス状の超音波であり、従来、非温熱作用により骨治癒を促進することが知られてきた。我々は世界に先駆けてLIPUSの唾液腺に対する効果を報告してきた。そこで、本研究では、シェーグレン症候群にみられる口腔乾燥症に対する全く新規の非侵襲性療法としてLIPUSを臨床応用するために、炎症状態下の唾液腺およびその細胞に対するLIPUS照射の有効性を検討することを目的とした。 最適なLIPUS照射条件の検索を行うため、MRL/lprマウスの唾液腺に20分間/日にて2週間のLIPUS連続照射を行い、効果持続期間の検討を行った。LIPUS照射後2週間経過しても、有意な唾液分泌量の増加及びHE染色による炎症所見の有意な減少が認められ、3週間後には有意差は認められなくなった。また、マウス唾液腺より抽出したタンパクによるウエスタンブロットにより、LIPUS照射後2週間までアクアポリン5の発現が認められ、さらにTNF-αの発現抑制が認められた。 次に、LIPUS照射の抗炎症シグナル伝達経路における詳細なメカニズムの解明を行うため、MRL/lprマウス唾液腺に対するLIPUS照射による抗炎症シグナル伝達経路のさらなる探索を行った。LIPUS照射により、NFκB経路を抑制的に制御する脱ユビキチン化酵素であるA20の発現増強が認められた。 以上より、LIPUS照射はA20活性化による抗炎症作用を介してMRL/lprマウスの唾液分泌を促進し、本実験の条件下でのLIPUSの効果は2週間持続することが示唆された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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