2016 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパースペクトル画像のための反射率画像推定法の確立と画像復元への応用
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16H07021
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松岡 諒 香川大学, 工学部, 助教 (40780391)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | ハイパースペクトル画像 / 分光反射特性 / 固有画像分解 / 凸最適化 / スパースコーディング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究成果は以下の通りである. 1. 多重画像を用いた画像復元:一般のイメージセンサでは解析に耐えうる高品質画像の取得が難しい.さらに, ハイパースペクトル(HS)画像の取得では非常に狭い帯域のスペクトル画像を取得する必要があり露光量不足により生じるノイズが問題となる. ここではノイズ除去と色転送を実現する補助画像を用いた画像復元手法を提案した. 具体的には劣化した入力画像に補助画像の特徴を転送する問題を凸最適化問題として定式化し, さらに計算効率の高い解法アルゴリズムを提案することで, 既存の画像復元手法に比べ高速かつ高品質な画像復元を達成することを実験により確認した. さらに, 多重露光画像を用いたノイズ除去手法についても検討を行い, 既存のノイズ除去手法と比べロバストなノイズ除去手法を提案した. 2. 多重画像統合による高解像度距離画像復元:高品質な反射率画像推定を実現するためにはシーンの距離画像を復元し解析する必要がある. ステレオ画像や多焦点画像など複数枚の画像を利用することで, 比較的容易に距離画像を復元することが可能である. ここでは多焦点画像を用いた方法に着目し, 焦点位置と露光時間を変えて撮影した多重露光画像から距離画像を復元する方法について検討を行った. さらに, 全焦点画像生成に応用しその有効性を実験により確認した. 上記の研究成果に対して積極的に対外発表を行った. 研究成果1についてまとめた論文が画像処理のトップジャーナルである国際学術論文誌IEEE Transactions on Image Processingに採録され, さらにもう二件国際学術論文誌への投稿を予定している. また研究成果2についてまとめた論文が電子情報通信学会論文誌Dに採録された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開発を進める過程でセンサーノイズ除去が不可欠であると判断し, 若干軌道修正し, 多重画像を用いた画像復元に関する研究を重点的に行なった. また, 多焦点画像解析に基づく距離画像生成手法に関して検討を行い, 概ね従来の目的を達成した.
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Strategy for Future Research Activity |
【現在までの進捗状況】の記載の通り, 本研究は概ね順調に進展している. 従って, 2年目の研究では予定通り, 凸最適化によるHS画像のための反射率画像推定法の開発を進めていく. また, 解析結果を踏まえ, 提案手法を有色/混合色光源下における反射率画像推定及びホワイトバランス補正などの実用的な問題への応用を検討する.
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Research Products
(5 results)