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2016 Fiscal Year Annual Research Report

架橋と表面修飾による高次機能化を可能とする新奇ミセルの開発とその生命科学的応用

Research Project

Project/Area Number 16H07030
Research InstitutionKochi University

Principal Investigator

仁子 陽輔  高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 助教 (20782056)

Project Period (FY) 2016-08-26 – 2018-03-31
Keywords高分子合成 / ミセル / 蛍光 / ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)
Outline of Annual Research Achievements

平成28年度は、まず疎水性の長鎖アルキルハライドを開始剤とし、2-エチル-2-オキサゾリンをリビング開環カチオン重合することで界面活性剤を得た。続いて、同界面活性剤の一部モノマーユニットを加水分解し、水中で自己組織化させることにより、「外殻に多数の科学反応点を有するミセル」を得た。同ミセルの粒径は10ナノメートルサイズの粒径であり、水溶性部位にあたるポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)の分子量制御によって粒径をコントロールできることが判明した。本ミセルを生命科学へ応用する場合、ミセルの粒径によってその応用方法が変わってくることを考慮すると、この知見は今後の展開に向けて重要なものとなってくるだろう。
さらに、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)の末端をアジド化し、クリック反応によって疎水性色素分子を導入することで、蛍光性の界面活性剤を創出することにも成功している。この成果は、今後ミセルの凝集・分解に応じた光機能を付与する際に重要となる。また、同反応を利用することにより、ミセルを特定の細胞や生体分子を標的する際に必要なリガンド等の導入にも有効である。
一方、加水分解によって得られた化学反応点(2級アミン)を架橋等に利用する場合、加熱による反応促進が不可欠であり、ナノスケールの超分子構造体(ミセル)を維持することが難しいという課題を得た。この問題に関しては、2級アミンを一度別の反応点へと変換するか、2-エチル-2-オキサゾリンとより反応性の高い別のモノマーを共重合させるという改善策が挙げられる。この問題をクリアした後、本格的な応用研究に取り組んでいきたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度、申請者は独立研究室を構えるにあたり、研究設備の購入・設置に想定以上の困難に見舞われた。一方、最小限の時間で行われた最小限の実験結果が示唆に富むものが多かったため、今後の研究の推進方策が非常に充実することとなった。そのため、これからの研究の加速が大いに期待できる。

Strategy for Future Research Activity

現在、最も解決しなければならない問題は、ミセルが有する「多数の化学反応点」の反応性を向上させることである。現在は反応点として2級アミンを使用しているが、今後はヒドラジド基を利用していく方針である。これが実現できれば、様々な生体刺激に応答できるミセルの開発が可能となるうえ、蛍光色素、薬剤、分子認識部位をミセルに導入することが容易になる。具体的には、新たなモノマーを開発するか、現在の2級アミン部位に対し、ヒドラジド基を導入することが考えられ、現在、既に一定の成果が得られつつある。
上記の課題が達成された後、生命科学への応用の検討と、学会・学術誌等への発表を同時並行していく予定である。

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Published: 2018-01-16  

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