2016 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the role of physiological hypertrophy in the transition from compensatory hypertrophy to heart failure
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16H07049
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池田 昌隆 九州大学, 大学院医学研究院, 学術研究員 (10567382)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 心不全 / 低酸素誘導因子 / REDD1 / DDIT4 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋梗塞後心不全モデル、および拡張型心筋症モデルマウスの心筋組織における低酸素誘導因子(Hypoxia-inducible factor-1α (Hif-1α))とREDD1 (DDIT4)の発現を解析した。両心不全モデルの不全心筋を用いてWestern blotによる評価を行ったところ、Hif-1αは著明に増加していた。加えてreal-time PCR法によりHif-1αで転写制御される複数の遺伝子 (PDHK1, COX4-isoform2等)の発現が上昇していたことから、慢性心不全の心筋組織は低酸素環境に晒されていることが示唆された。またREDD1についてもWestern blotおよびreal-time PCRにより発現の評価を行ったところ、同分子が両心不全モデルにおいて著明に増加していた。これらの結果から、不全心筋においては低酸素応答としてREDD1の発現が上昇しており、心不全の進展において何らかの役割を果たしている可能性が示唆された。 ラット新生仔単離心筋細胞を用いて、低酸素刺激によるREDD1の発現と低酸素刺激が単離心筋細胞に与える影響について検討した。単離心筋細胞を1%低酸素環境にて培養することにより、Western blotによる解析にてHif-1αが著明に増加し、さらにWestern blotおよびreal time PCR法にてREDD1の発現誘導が確認された。加えて、1%低酸素環境下での24時間の培養により細胞死が引き起こされることを確認した。 これらを踏まえ、REDD1ノックアウトマウスの作成を開始し、ノックアウトマウス作成のためのゲノムデザインを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
KOMP(米国)よりREDD1ノックアウトマウスを導入(購入)予定であったが、KOMPでの繁殖・供給が追い付いておらず、供給困難であった。現在(2017年4月)までに入手が困難であり、また今後も繁殖の見通しもつかないとの連絡があったため、ノックアウトマウスを新規に作成する方針へ変更とした。現在、ゲノムデザインまでは行ったが実際の作成作業以降は次年度に繰り越しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
REDD1ノックアウトマウスの入手が不可であったことについては予定外であり、当該実験については予定よりも遅れている。しかしながら、その他については概ね実験計画通りに研究を進められている。本年度はノックアウトマウス使用以外の研究を前倒しで実施しており、次年度にノックアウトマウスを使用した実験を集中的に実施する予定である。
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