2016 Fiscal Year Annual Research Report
Ewing肉腫の癌微小環境におけるマクロファージ制御因子の役割の解明
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16H07056
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
飯田 圭一郎 九州大学, 大学病院, 助教 (70782621)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | マクロファージ / Ewing肉腫 / MCP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ewing肉腫は主に小児、若年者に発生する高い炎症反応を特徴とした悪性腫瘍である。Ewing肉腫において炎症反応とマクロファージの浸潤は相関関係にあり、両者は共に予後不良因子の一つであることが証明されている。このことはマクロファージ制御因子がEwing肉腫の予後に重要である可能性を示唆している。本研究の目的はマクロファージ制御因子であるMCP-1 (Monocyte chemoattractant Protein-1)に着目し、癌微小環境におけるMCP-1の役割をマクロファージとの相互関係から明らかにすることである。 MCP-1はある種の癌細胞では恒常的に産出が認められており、単球の遊走を引き起こすことが知られている。Ewing肉腫細胞株においてその発現を調べたところ、その発現は細胞株により異なっており、腫瘍の産出するMCP-1がマクロファージの浸潤と炎症反応の亢進を引き起こし、Ewing肉腫の予後と関連している可能性が考えられた。MCP-1過剰発現細胞株を作成し、xenograftモデルにてその成長の比較を行ったところ、MCP-1過剰発現細胞株では生着した腫瘍は親株と比較し増殖する傾向を認めた。病理切片で確認したところ腫瘍内浸潤血管が増加しており、腫瘍から産出されるMCP-1が癌微小環境の中でマクロファージの質的変化をおこし、血管新生を誘導し腫瘍成長をもたらす可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りの進行である。
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Strategy for Future Research Activity |
①MCP-1 過剰発現細胞に浸潤しているマクロファージにおいて発現が亢進している血管新生に関与している因子を同定する。 ②In vitroにおいてMCP-1過剰発現細胞株とマクロファージの相互関係を解析し、In vivoと同様に血管新生因子の発現が亢進されるか解析する。それに加え、マクロファージから産出される血管新生因子の産出がMCP-1 inhibitorを使用し阻害されるかを解析する。 ③Ewing肉腫の臨床サンプル(凍結サンプル)を用いてMCP-1発現量と炎症反応、予後との関連を調査する。
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