2016 Fiscal Year Annual Research Report
脂質メディエーターによる新たな骨形成促進機序の解明と歯周組織再生療法への応用
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16H07066
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
東 克匡 九州大学, 大学病院, 後期研修医 (90778846)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | S1PR2シグナル / RhoA/ROCKシグナル / Smad1/5/8 / Runx2 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに申請者らは、スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)が、骨芽細胞においてS1P/S1PR1経路の活性化によりALP活性を増加させ、骨芽細胞分化を促進することを報告したが、その過程でS1P添加による ALP発現増加には、S1PR1の働きに加えてS1PR2も関与することを見出した。また、骨芽細胞にはS1PR1及びS1PR2が発現しており、S1P添加によりこれらの受容体発現が増加することから、本研究ではS1PR2を介した骨芽細胞分化制御機構について解析した。とりわけ、ALP発現を制御するSmad1/5/8及びRunx2、そしてSmad1/5/8を制御するRhoA/ROCK経路に着目した。 骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1細胞において、(1)RhoA G-LISA法を用いてS1P/S1PR2経路によるRhoA活性化、(2)western blot法にてS1P/S1PR2/RhoA/ROCK経路によるSmad1/5/8リン酸化亢進、(3) western blot法及びreal-time RT-PCR法にて同経路によるRunx2発現増加が生じることを明らかにした。また、(4)これらの作用はGi非依存性であり、Gi依存性のS1PR1を介した作用とは異なることも示した。一方、マウス初代培養骨芽細胞でも上記(2)及び(3)を確認した。さらに、マウス脛骨を用いて、in vivoにおけるS1Pによる骨芽細胞分化促進作用とS1PR2/RhoA/ROCK経路の関与についてμCTを用いて検討したところ、(5)S1PR2アゴニストによる海綿骨の骨量、骨梁幅、骨梁数の増加に、S1PR2/ROCK経路の一部が関与することを見出した。 本研究で明らかとなったS1P/S1PR2/RhoA/ROCKシグナル伝達経路による骨芽細胞分化促進作用は、骨再生における新しい治療法の開発に繋がる可能性がある。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Remarks |
日本骨代謝学会ホームページ上の1st Authorの特集ページにて、本研究成果が紹介された。
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