2016 Fiscal Year Annual Research Report
向精神薬でBPSDの薬物療法を行う認知症高齢者への訪問看護アセスメント指標の開発
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16H07071
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
古野 貴臣 佐賀大学, 医学部, 助教 (90775363)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 在宅看護 / 認知症高齢者 / BPSD / 向精神薬 / アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「BPSDにより向精神薬で薬物療法を行っている認知症高齢者に対する訪問看護アセスメント指標の開発」を行うことである。本指標の開発により、BPSDを抱えて地域で暮らしている認知症高齢者に対する訪問看護師の看護の質向上を狙う。 平成28年度は、指標の開発に向けた基礎データの収集として、BPSDを抱え、向精神薬で薬物療法を行っている認知症高齢者に対して訪問看護経験がある訪問看護師を対象に半構成的面接調査を行った。対象施設は3施設であり、そのうち2施設は認知症疾患医療センターとして登録されている医療施設内に設置されている、訪問看護施設であった。また、対象者には、認知症認定看護師を含んでいた。 インタビューは、認知症高齢者への今行っている看護、過去に行っていた看護の経験を想起してもらい、「今行っている(行っていた)看護は、どのようなアセスメントにもとづくものか」といった観点から自由に語ってもらった。音声データとして得られたインタビューデータの逐語録を作成し、「BPSDを向精神薬で治療している認知症高齢者に対して行っているアセスメント」の観点から質的帰納的に分析を行いながら適宜質問内容の見直しを行った。 指標の開発に向け、質的帰納的に分析を繰り返しており、認知症在宅看護の専門家や対象者のスーパーバイズを受ける予定としている。そして、全国調査に向けた調査用紙作成に向け、項目の抽出および作成を合わせて行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の対象者は、BPSDを抱え、向精神薬で薬物療法を行っている認知症高齢者に対して訪問看護の経験がある訪問看護師を対象とした。このような専門的知識をもとに看護を提供していると考える訪問看護師の選定、および対象施設の研究協力承諾に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
アセスメント指標の開発の基礎的調査であるインタビュー調査を概ね終えることができた。その結果をもとに全国調査に向けた項目の抽出を行っている。質的帰納的分析および質問項目の作成を終えた後、インタビュー調査の対象者に語った内容と相違がなかったかを確認し、妥当性を確保する。そして、プレテストを行い、質問紙調査による全国調査を行う。その後、統計学的な処理を行い、指標の開発を目指す。
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