2016 Fiscal Year Annual Research Report
KPU-300併用放射線増感療法抵抗性な口腔癌細胞株の放射線抵抗因子に関する解析
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16H07076
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
奥山 紘平 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (30781968)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 早期舌扁平上皮癌 / 上皮間葉転換 / 未分化部分転化 / E-Cadherin / Cytokeratin-14 / Vimentin / Fucci system |
Outline of Annual Research Achievements |
Fucci systemを用いた舌癌細胞株(SAS-Fucci cell)における細胞周期動態については、新規微小管重合阻害剤であるKPU-300の製造・入手ができなかったことから、当初計画した案に記載のある実験は行えていない。しかしながら、SAS-Fucci cellを用いたセツキシマブ細胞周期動態へ及ぼす影響についてはTime-lapse imagingを撮影する設備や実験計画があり、今後はそちらに実験がシフトする可能性がある。 さらに、早期舌扁平上皮癌において局所再発例にはCancer-associated fibroblastsの有意な発現を認めるとともに、上皮系マーカーであるCK14および間葉系マーカーであるVimentinがいずれも陽性を示し、EMTの中途段階にある所見、すなわちEPR(Epithelial partial reprograming)を確認し、過去の報告のとおり、EMTにも段階が存在することがわかった。さらに、EMTのマーカーとして知られるE-CadherinおよびVimentinがいずれも陰性である領域も確認され、EPRにも段階が存在することを多重蛍光免疫染色法にて初めて示した。今後はEPRを生じる際の分子メカニズムを組織切片と多重蛍光免疫染色法を用いて解明していくことを目標としたいと考えている。先に述べた研究のほか、本研究についても今後の実験課題としていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述のように当初の実験における材料の調達ができなかったことで当初の実験計画についてはやや着手が遅れているが、その代わりとなる2つの実験系も現在施行中で、今後のそちらの研究成果が望まれている。実験設備や材料もそろっており、今後の実験に支障が出ることはないと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、SAS-Fucci cellを用いたセツキシマブの細胞周期動態へ及ぼす影響について、Time-lapse imagingを用いて実験を進める。 また2つ目の実験として、以下の計画で進めていく。早期舌扁平上皮癌において局所再発例にはCancer-associated fibroblastsの有意な発現を認めるとともに、上皮系マーカーであるCytokeratin-14および間葉系マーカーであるVimentinがいずれも陽性を示し、EMTの中途段階にある所見、すなわちEPR(Epithelial partial reprograming)を確認し、過去の報告のとおり、EMTにも段階が存在することがわかった。さらに、EMTのマーカーとして知られるE-CadherinおよびVimentinがいずれも陰性である領域も確認され、EPRにも段階が存在することを多重蛍光免疫染色法にて初めて示した。今後はEPRを生じる際の分子メカニズムを組織切片と多重蛍光免疫染色法を用いて解明していくことを目標としたいと考えている。
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